生物学・科学に関する雑感。

現在ウィスコンシン・マディソンに研究留学中


2010年04月08日

論文が公開になりました

ついに論文がオンラインで公開になりました。

Generation of a novel wing colour pattern by the Wingless morphogen.
Thomas Werner*, Shigeyuki Koshikawa*, Thomas M. Williams, Sean B. Carroll
*equal contribution
Nature,07 April 2010, Advance online publication, doi:10.1038/nature08896

(このリンクから論文を見ることができるのは、研究機関等で雑誌を購読されている場合のみです。)

またいくつかの報道機関から取材を受けていますので、8日付の新聞などで、もしかしたら紹介されるかもしれません。

研究らしきものを始めて10年、やっとここまで来ることができました。研究をサポートしてくれている皆さんに深く感謝いたします。もっと良い論文が書けるよう、今後とも精進いたします。

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<追記>
報道をメモしておきます。

体の模様決める遺伝子、ハエで発見 米大研究者(日本経済新聞)

羽の模様決める遺伝子特定 ハエで米大学チーム(47NEWS, 共同通信)

同じ記事が、東京新聞、デイリースポーツや各地の地方紙のwebサイトに掲載されているようです。共同通信の配信によると思われます。

地元ウィスコンシンの新聞の記事は、特に素晴らしい出来です。共著者TW氏の生い立ちから、実験室でのドラマ、他の研究者たちのコメント、さらには読者のコメントまで楽しめます(こんな研究は時間と金の…)。
How do animals get their spots? UW scientists solve the mystery (Milwaukee Journal Sentinel)

サイエンスデイリー
Controls for Animals' Color Designs Revealed (Science Daily)

ビジネスウィーク
Science Reveals Secrets of Animals' Spots, Stripes (Business Week)

HHMIのプレスリリース
Preexisting Patterns Guide Evolution’s Paintbrush (HHMI News)

USAトゥデイ
One gene may have helped the butterfly change its spots (USA Today)
posted by シロハラクイナ at 02:56| シカゴ 🌁| Comment(6) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月06日

Drosophila santomeaのゲノム

Release of a first draft of the Drosophila santomea genome sequence (v1.0)

http://flybase.org/static_pages/news/articles/2010_01/D_santomea_genome.html

そうこうしているうちに、D. santomeaのゲノムを読んでしまった人たちがいます。Illuminaシークエンサーで54bpの長さを65,900,000本読んで、非常に近い種であるD. yakubaをリファレンスとしてアセンブルしたそうです。de novo アセンブリは今後リリースされる予定だそうです。

modENCODEで読んでいる8種より、santomeaのほうが早かったんですね。Drosophilaでは、13種目のゲノムということになりますか。さらにmauritianaもWashington Univで(454シーケンサー)、albomicansが北京で読まれているようです(詳細不明)。
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2010年04月05日

Little effect of the tan locus on pigmentation in female hybrids between Drosophila santomea and D. melanogaster.

Little effect of the tan locus on pigmentation in female hybrids between Drosophila santomea and D. melanogaster."
Matute DR, Butler IA, Coyne JA.
Cell. 2009 Dec 11;139(6):1180-8.

さて、Jeong et al. 2008に対して出てきた反論がこの論文です。CellにはMatters Arisingという反論用のセクションがあり、そこに掲載されたものです。以下、私はCarroll研側の人間ですので、この論文に対しては否定的な見方をしていますが、そのあたりを考慮しつつお読みください。興味のある方は、ぜひ原文に当たってみてください。

この論文では、D. melanogasterとD. santomeaが交配可能であることを利用して、melanogasterの染色体欠失系統とsantomeaの交配により、santomeaのtanが機能を失っている事が、本当にsantomeaの腹部着色が薄いことの原因であるかどうかを検討しています。

そして彼らは結論として、tanはほとんど形質の違いに寄与していない、と主張しています。その根拠となっているのは、santomeaとmelanogaster野生型(バランサー)の雑種メスと、santomeaとtan周辺領域を欠失しているmelanogasterの雑種メスとで、着色にほとんど違いが見られない、つまり、melanogasterのtanは、santomeaの薄い体色をもたらしている原因遺伝子座を相補しないように見える、ということです。

さて、Jeong et al.と大いに矛盾する結果に見えますが、これをどう解釈するのが正しいのでしょうか?著者らは、Jeong et al.は遺伝子導入で形質がレスキューされているとしているが、それは酵素を過剰発現しているから色素ができたに過ぎず、厳密には原因遺伝子座をレスキューしているとは言えない、と主張しています。この主張は本当に妥当なものでしょうか?
posted by シロハラクイナ at 09:17| シカゴ ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 論文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月04日

The evolution of gene regulation underlies a morphological difference between two Drosophila sister species.

The evolution of gene regulation underlies a morphological difference between two Drosophila sister species.
Jeong S, Rebeiz M, Andolfatto P, Werner T, True J, Carroll SB.
Cell. 2008 Mar 7;132(5):783-93.

D.yakuba-D.santomeaの体色の話を連続して書こうと思っていたのですが、長く中断してしまいました。

さて、Carbone et al. 2005によって、いくつかのQTLが体色の違いをもたらしていることがわかったのですが、そのうち、オスでもっとも効果の大きいQTLの正体はtanという遺伝子のcis制御領域であったというのがこの論文の主旨です。

yakuba、santomeaおよび両者の雑種を用いて体色関連遺伝子のin situを行い、tanの発現が変わっている事を見つけました。tanとは、最近クローニングされた、メラニン合成系の酵素遺伝子の一つです。そしてyakuba由来のX染色体を持つオスでは、yakuba様の発現パターン(腹部末端で強い)を示す事から、原因となる遺伝的変異はX染色体上にあると考えられました。tan自体もX染色体上にあり、またCarbone et al. 2000でもtan遺伝子近傍にQTLがあることから、この時点で、tanのcis領域が原因である事が強く疑われます。

tan近傍のゲノム領域をEGFPにつなぎレポーターアッセイをすることで、腹部末端での発現をもたらすエンハンサーが同定されました。このエンハンサーとtan遺伝子全体を含む領域を、pエレメントでsantomeaに導入すると、腹部末端に着色が見られ、yakubaに近い表現型になりました(完全ではありません)。

さらに、santomeaでは、tanの腹部末端エンハンサーが機能を失っているのですが、その機能欠失は、santomeaの地域系統ごとに独立して何度か(おそらく3度)起こっているようです。というのは、系統により異なった塩基に欠失が見られ、そのいずれでも、エンハンサー機能が失われているからです。

このように、形質を良く見た上で、いきなりcandidate geneで正解を当ててしまうのがC研の真骨頂です。いまだにQTLの解像度には限界があり、普通は数百遺伝子を含む領域くらいにしか絞り込めないようで、そこから具体的な変異にまでたどり着くには何らかの工夫が必要なようです。そこでどういう工夫をするかが研究者の好みの現れるところで、うちのボスはいきなり池に手を突っ込んで鯉をつかみ取るような荒技を好みます。
posted by シロハラクイナ at 08:38| シカゴ ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 論文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月02日

今年度もよろしくお願いします

ずっと更新していなくてすみません。少し近況を書いておきます。

渡米して2年が経ってしまいました。本当にあっという間です。そして海外学振の期間が終了し、この春からはついにこちらの研究所で雇われる形になります。私にとって初の民間スポンサーです。リサーチ・スペシャリストIという良く分からない肩書きをいただきました。頑張るといつかIIになるのだろうか?シカゴからわざわざ研究所のマネージャーが来て、様々な手続きをしてくれました。医療保険や年金などは、医学研究所だけあってかなり充実しているようです。

こちらで取り組んできた例の論文は、来週水曜日(日本だとおそらく木曜未明)にオンラインで公開になる予定です。本日メディア宛にはプレスリリースが出たそうです。どこかのメディアが取り上げてくれるといいのですが。

今日のマディソンはやたら暑くて、日中の気温が26度にもなりました。ダウンジャケットを着てきてしまって持てあましています。

では、本年度もどうぞよろしくお願いいたします。
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2010年02月10日

論文が通りました

こちらへ来ての最初の論文が、本日アクセプトされました。

翅に水玉模様状の斑紋を持つショウジョウバエの種を使って、模様はどのように制御されるのか、新奇な模様はどうやって進化するのかを論じたものです。これで、学術振興会様にも申し分が立つというものです。

投稿したのは、8月でした。思ったよりも長びきました。
論文投稿

出版されましたら、内容を紹介したいと思います。
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2009年12月12日

Quantitative trait loci affecting the difference in pigmentation between Drosophila yakuba and D. santomea.

Quantitative trait loci affecting the difference in pigmentation between Drosophila yakuba and D. santomea.
Carbone MA, Llopart A, deAngelis M, Coyne JA, Mackay TF.
Genetics. 2005 Sep;171(1):211-25. Epub 2005 Jun 21.

Drosophila santomeaとyakubaは交配できるため、体色の違いをもたらしている変異を、QTLマッピングの手法で染色体上に位置づけることができます。32のSNPsマーカーを用いて、といってもPCR産物を制限酵素で切断して確認するというローテクですが、とにかく染色体全域をカバーするようにマーカーを設定するのは大変だったでしょう。(当時はまだyakubaのゲノムは公開されていませんでした。)

結果、オスとメスで効果は違うものの、体色の違いをもたらしている4つの主要なQTLが同定されました。しかし、それぞれのQTLの近傍には膨大な数の遺伝子があるため、どの遺伝子領域がQTLの実体であるかは、この時点では不明でした。
posted by シロハラクイナ at 11:17| シカゴ ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 論文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

コメント承認制

最近スパムが多いので、しばらくコメントを承認制にします。ご迷惑をおかけします。
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2009年12月11日

Evolutionary novelties in islands: Drosophila santomea, a new melanogaster sister species from São Tomé.

Evolutionary novelties in islands: Drosophila santomea, a new melanogaster sister species from São Tomé.
D Lachaise, M Harry, M Solignac, F Lemeunier, V Bénassi, and M L Cariou
Proc Biol Sci. 2000 August 7; 267(1452): 1487–1495.

この論文により、モデル生物であるキイロショウジョウバエDrosophila melanogasterに近い数種で構成するmelanogaster subgroupに、新しいメンバーであるDrosophila santomeaが加わりました。

アフリカ大陸の西側にある島、Sao Tomeの、標高が高い場所のみに生息するsantomeaに最も近縁なのは、yakubaという種で、こちらはアフリカ大陸に広く分布しています。これらは交配可能な程度に近縁ですが、分子系統樹では明瞭に分かれます。最も目につく形態上の違いは、yakubaが他の近縁種とよく似た体色(メスは黄色と黒の縞模様、オスはそれに加えて腹部の後端が黒い)であるのに対し、santomeaは黒色の色素がほとんど見られず、黄色一色に見える腹部を持つ、ということです。

明瞭な表現型を持つ姉妹種が見つかり、かつモデル生物にもごく近縁であるので、表現型の進化を解析するのに最高の系となりえます。実際にこの発見をきっかけに、多くの重要な論文が書かれることになります。
posted by シロハラクイナ at 10:11| シカゴ ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 論文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月10日

てこ入れ?

若手、外国人研究者支援てこ入れ 科学技術予算で首相表明

政府の総合科学技術会議が9日、首相官邸で開かれ、議長の鳩山由紀夫首相は「若手が冷遇され、外国人に狭き門となっている日本の特徴を克服しないと、科学技術で世界をリードできない」と述べ、行政刷新会議の事業仕分けで予算削減を求められた若手・外国人研究者の育成、支援にてこ入れする姿勢を明らかにした。(47ニュース、共同通信)

http://www.47news.jp/CN/200912/CN2009120901000957.html

これで一安心というところでしょうか。


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2009年12月09日

modENCODEとDrosophila8種のゲノム

modENCODEプロジェクトというものがあります。ショウジョウバエと線虫を対象に、ゲノム中に含まれるエレメントをすべて見つけ出し解析するというもののようです。

http://www.modencode.org/

見てみると、ChIP-Chipのデータが出つつあるようで、ハエの転写因子だと、dll,bab1, Enなどの結合サイトが、ゲノム全領域にわたって見られるようになっています。また、Insulatorの位置予測もされており、私がいま行っている解析にも有用な情報でした。(クロマチン制御関係の因子のデータも豊富ですが、それが何を意味するか、残念ながら私にはさっぱりわかりません…。)このまま多くのデータが蓄積されていけば、エンハンサーの解析に非常に強力なツールになりそうです。

modENCODEに関しては、他にも注目すべき情報があり、エレメントを探索するために有用と称して、さらにDrosophila8種(と線虫7種)のゲノムを読む予定のようです。現状でどこまで進行しているのかはわかりませんが、NHGRIのサイトに掲載されているので、近いうちに公開されるでしょう。いまどき、読むのは一瞬なので、アノテーションして閲覧可能にする部分に時間がかかるものと思われます。ハエの場合はすでに12種のゲノムがありますし、自動でどこまでアノテーションできるものか。

NHGRIが関わっているゲノムプロジェクトのリスト
http://www.genome.gov/10002154

Drosophila8種、線虫7種ゲノムのホワイトペーパー
A Proposal for Comparative Genomics in Support the modENCODE Project (pdf)

ちなみに、Drosophila8種とは、biarmipes, bipectinata, elegans, eugracilis, ficusphila, kikkawai, rhopaloa, takahashiiとなっております。このラインナップを見ると、誰が関わっているかバレバレですが…(C研OBのK氏です)。

自分の興味のある生物のゲノム配列が欲しいとして、シークエンス自体の値段は急激に安くなっていますので、読むこと自体よりも、アノテーションをどうするかが課題になってくるでしょう。このような大きいプロジェクトに乗ってしまえば、最高の技術を持った人たちがアノテーションしてくれるわけですから、なんともうまい方法を考えたものだと感心しました。
posted by シロハラクイナ at 02:51| シカゴ 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月03日

虹の解体


虹の解体―いかにして科学は驚異への扉を開いたか

虹の解体―いかにして科学は驚異への扉を開いたか

  • 作者: リチャード ドーキンス
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2001/03
  • メディア: 単行本




ドーキンスの1998年の著作”Unweaving the Rainbow”の翻訳版で、2001年に出版されています。

メモしておきたいフレーズは数多くありますが、何と言っても、このご時世に、心に響く一節がありましたので長くなりますが引用しておきます。

しばしば狭量な評論家が質問するー科学の役割とはいったい何か、と。いま述べたことが答えだと私はいいたい。誰が書いたのかはっきりしないが、こんな逸話がある。あるとき、マイケル・ファラデーが同じ質問を受けた。科学はいったい何に役立っているのか、と。ファラデーはこう質問しかえした。「では、生まれたばかりの赤ん坊はいったい何に役立ってますか」。別に話の主人公が、ベンジャミン・フランクリンであろうが誰であろうが、この話の謂は、赤ん坊は今の時点では何の役にも立っていないけれども、未来に対しては大きな可能性を秘めているということだろう。私は、この話に別の意味を持たせることができると思う。この世に生まれた赤ん坊の役割は、確かに職を手につけて働くことであろう。しかし、すべてのものごとの判断基準をその”有用性”だけにおき、生を受けたことの有用性は生きていくために働くことというのなら、それは不毛な循環理論にしかならない。生を受けたことの意味を問うのなら、何らかの価値がそこに付与されなければならない。生きるために働くといった目的本意な説明ではなく、生きること自体に何らかの意義づけが必要である。その意義付けとは、芸術支援に税金が使われてよいとする理由にもなろうし、希少種の保存や歴史建造物の維持を正当化する理由にもなろう。野生の象や古い建物を保存するのは、そこから何らかの経済的利益が見込めるからだという輩がいるが、こういった連中に有効に反論できなければならない。科学に関してもまったく同じである。もちろん科学は利潤をもたらし、科学は役に立つ、しかし、それが存在意義のすべてではない。

科学は赤ん坊と同じで、我々の未来そのものです。新しい産業のもととなる、という意味でも、生きる希望をもたらすという意味でも。自信を持って行きましょう。
posted by シロハラクイナ at 14:57| シカゴ ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍(翻訳もの) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月22日

事業仕分け5

このブログの影響力なんてショウジョウバエの1齢幼虫並みに小さいけれど、読んでくれている人の行動に少しでも影響を与えられたとしたら嬉しいです。草の根の活動が、積もり積もって大きな力になると信じつつ。

さて、色々な学会の公式声明も出たことだし、文科省の意見募集の締め切り(噂されていた実質的な締め切り11/20、確かにこの日までの集計がマスコミに流れた)も過ぎたことですし、若手の皆さんはここで一息といったところでしょうか。

あとはニュースウォッチをしつつ、適切な行動をとっていけばいいのですが、実際に若手支援がどのくらい削られるのかは、予算編成次第ということになります。そして、最後には政治的な決断となるはずです。

では、現状での「つつきどころ」はどこでしょうか?

政府内の構図を考えるに、行政刷新担当大臣の仙谷由人氏、および財務大臣の藤井裕久氏は、科学技術関連予算を削りたい立場、反対に、菅副総理(科学技術担当大臣を兼任)と鳩山首相は、削りたくない(少なくとも大きく削ることには賛成しない)立場のようです。こういう場合には、菅氏および鳩山氏に、「どうかよろしくお願いします」的なメールを送ったらどうでしょう?スパコン事業は、どういうわけか菅氏を見方につけることに成功したようです。

菅副総理スパコン復活に前向き 事業仕分けには異論(産經新聞)
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/091120/stt0911201808005-n1.htm

鳩山首相は、このところ孤立しがちな菅副総理をたてるような言動が見られますし、首相自身も、科学技術予算増額論者のようですので、私は、スパコンは復活すると見ました。若手支援が復活するかどうかの鍵は、同様に管氏の動きにあると思います。

あとは、ひな壇ではナンバー2の位置にある「ハトを守るカメ」も味方につければ万全かもしれません。彼は財政出動派ですし、発信力もありますし。

研究に忙しいことと思いますが、お時間のある方はメールでも。

首相官邸
http://www.kantei.go.jp/jp/iken.html

菅直人公式サイト「ご意見箱」
http://www.n-kan.jp/contact/index.php

亀井静香公式web ご意見・お問い合わせフォーム
http://www.kamei-shizuka.net/inquiry/index.html

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2009年11月19日

事業仕分け4

Nature Newsに、事業仕分けの件が掲載されたようです。
http://www.nature.com/news/2009/091117/full/462258a.html

過去の記事では、鳩山首相は、科学研究予算を増額すべきと言っているんですがね…。
http://www.nature.com/news/2009/090819/full/460938a.html
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事業仕分け3 (今日、明日のうちに!)

事業仕分け対象事業に関する、文部科学省の意見募集について。

今日、明日中に投稿されたメールの数が、政策決定に重要な意味をもつ、との情報があるそうです。(社会性昆虫コンソーシアムのメーリングリストで流れている情報です。)

http://www.mext.go.jp/a_menu/kaikei/sassin/1286925.htm

「件名(タイトル)」に事業番号、事業名を記入し、担当副大臣、政務官にメールをしてください。もう一押し、がんばりましょう!
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2009年11月18日

遺伝子の川


遺伝子の川 (サイエンス・マスターズ)

遺伝子の川 (サイエンス・マスターズ)

  • 作者: リチャード・ドーキンス
  • 出版社/メーカー: 草思社
  • 発売日: 1995/11
  • メディア: 単行本




ドーキンスによる読み物。原著は1994年刊行で、サイエンスマスターズという企画の第一巻なのだそうです。

ドーキンスにしてはさらっとしていて読みやすいほうです。ミトコンドリアイヴやミツバチの八の字ダンスの話など、話題は聞いたことのあるものばかりですが、切り口がおもしろいというか、その現象が真に意味するところをドーキンス風にねちっこく取り上げています。

3章で触れられている、昆虫の視覚とフリッカーに関する記述は未消化。
「また、縞模様はわれわれにとって静止した模様である。そのそばをかすめるように飛ぶ昆虫にとって、それは「フリッカー」に見え、正しい速度で明滅するストロボとそっくりに見える。」
この記述の根拠、特に昆虫とヒトの視覚の違いについてご存知の方がいらしたら教えてください。(ヒトでも、高速で移動する縞模様は明滅したり、融合したりして見えると思うのですが。視覚の仕組みと、フリッカーの出現にどのような関係があるのでしょうか。単に時間分解能の違いとも思えません。それとも、視覚の違いというより、昆虫が高速で飛行しながら物を見ている、というところがポイントでしょうか。)
posted by シロハラクイナ at 16:12| シカゴ ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍(翻訳もの) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月17日

事業仕分け2

オンライン、オフライン、あちこちで、事業仕分けの研究関連の項目について、どのようなアクションをとるべきか、という議論が起こっているようです。こういう場面ではメーリングリスト、ブログ、ツイッターなどが便利ですね。私はオフラインでの議論には参加できませんが、出来ることを探して行動していきたいと思います。大げさに言えば、我々若手研究者にとって、存亡をかけた戦いですので。

これまでの議論を見ていくと、学会のトップが連名で声明を出す、という流れになりそうなので、その件は当事者の先生方に期待したいと思います。

さて、何の肩書きもない我々ができることは何か、と考えると、署名や、文科省・民主党への個別の意見投稿が思いつきますが、それ意外に、地元選出の民主党議員に意見を送るというのが、ある程度の効果がありそうに思います。特に次回の参院選で改選の予定の議員は、有権者の意見に多少なりとも耳を傾けざるを得ないでしょう。

例えば、東京都選挙区で次回2010年に改選を迎える民主党議員は、小川敏夫氏、蓮舫氏です。東京大学はじめ、東京都内の大学に所属する若手研究者は膨大な数に上ると思いますので、彼らが有権者の一人として、一斉に意見を送れば、何らかの効果が望めるのでは?意見が物理的にかさばるFAXだと、さらに効果的かもしれません。

小川敏夫氏 info@ogawatoshio.com
練馬事務所 FAX:03-3992-5799
議員会館 FAX:03-3593-0577

蓮舫氏 info@renho.jp
議員会館 FAX:03-5512-2214

このブログの読者は東京、札幌の方たちが多いようなので、北海道のほうも挙げておきますと、2010年に改選を迎えるのは、峰崎直樹 財務副大臣です。

峰崎直樹氏 sapporo@minezaki.net
札幌事務所 FAX:011-280-0150
議員会館 FAX:03-3503-3870
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2009年11月14日

事業仕分け

若手研究者養成のための科学技術振興調整費(同125億円)と科学研究費補助金(同330億円)も削減との結論。
(47NEWSより)

行政刷新会議 「事業仕分け」 評決結果 3日目 第3ワークンググループ (pdf)

一番削ってはいけないところをやってしまいましたね。若手の皆さん、生活に困ったらアメリカに亡命しましょう。

<追記>
投げやりなことを書いてしまいましたが、日本の科学研究の将来に関する深刻な問題であるので、なにか自分にできることはないかと考え、文部科学副大臣の先生に深刻な文面のメールを送りました。読んでもらえるといいのですが。

<追記>
鈴木寛副大臣、中川正春副大臣、後藤斎政務官、蓮舫議員にメールを送りました。またNatureの東京事務所に、本件を取り上げてくれるようメールしました。

何もせずに愚痴を言っていてもしかたないので、皆さんも意見を送ってみてはいかがでしょうか。

「行政刷新会議事業仕分け対象事業についてご意見をお寄せください」
http://www.mext.go.jp/a_menu/kaikei/sassin/1286925.htm
鈴木寛副大臣、高井美穂政務官宛 suz-tak@mext.go.jp
中川正春副大臣、後藤斎政務官宛  nak-got@mext.go.jp
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2009年11月13日

見える光,見えない光:動物と光のかかわり


見える光,見えない光:動物と光のかかわり (動物の多様な生き方 1)

見える光,見えない光:動物と光のかかわり (動物の多様な生き方 1)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 共立出版
  • 発売日: 2009/04/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)




動物の視覚や体色、体内時計などに関する総説集。進化学会@札幌の会場で購入、日本国内を移動中に読んで、その後、船便でアメリカまで輸送され、いま再び手元に来ました。

内容が盛りだくさんで、とても勉強になりました。特にロドプシンについての概説や、複眼の構造についてなど、いままで見たどの教科書よりも丁寧でわかりやすいです。
posted by シロハラクイナ at 01:00| シカゴ ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍(和書) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月12日

Is genetic evolution predictable?

Is genetic evolution predictable?
Stern DL, Orgogozo V.
Science. 2009 Feb 6;323(5915):746-51.

またプリンストンからのレヴュー。昨年Evolutionに出たものと似ていますが、少し別の例も出して、形質の進化を引き起こした具体的な遺伝的変異をどのように予測するか、について述べています。

こういうメタ解析的なことは最近の彼らの得意とするところで、よく事例をこれだけ集めるなと感心するばかりですが、例えば形態の進化において、種間の違いはcisの変化による場合が多く、種内や家畜化、栽培化の場合はタンパク質のコード領域にnull mutationが入っている場合が多い、というのはなるほどと思いました。

null mutationによってタンパク機能が失われても、ローカルな集団では環境次第で特に問題なく生存してしまうけれど、そのタンパク機能が再び戻ってくることはないわけで、環境適応への柔軟性を失っていると言えるでしょう。このようなローカルな進化には、ドリフトの効果が強く出るわけで、集団遺伝学の視点が欠かせない、と。

近年、彼らは集団遺伝学とEvo-Devoを融合させようという試みをしていると聞いています。関連する書籍も準備している模様です(polyphenismさんによる紹介にリンク)。なぜ集団遺伝学なのかよくわからなかったのですが、このレヴューを読んで、彼らの考えが少しだけわかりました。(ちなみに、我々のボスは集団遺伝学をあまり評価していません。派手好きだからでしょうか。このあたりが、緻密なDLSさんとの大きな違いだと思います。)
posted by シロハラクイナ at 15:52| シカゴ ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 論文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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