生物学・科学に関する雑感。

現在ウィスコンシン・マディソンに研究留学中


2012年11月09日

食う寝る坐る永平寺修行記

食う寝る坐る永平寺修行記 (新潮文庫) [文庫] / 野々村 馨 (著); 新潮社 (刊)

日本から遠く離れて暮らしていると、日本っぽいものが読みたくなります。アメリカ社会には良い点、学ぶべき点も多くありますが、その消費文化、食文化に関しては、疑問に思うこともしばしばです。ハンバーガーにかぶりつく、車いすのおばあちゃんを見た日には、なおさらです。

アメリカの医療費はOECD諸国の中でも突出して高く、そのわりに平均寿命は低いです。また、明らかに肥満の人が多く、食べるものも含め、多くの人の生活スタイルに問題があるのは明らかです。食べ物の特徴は、肉が多く、糖分が多く(料理は甘め)、ひとりぶんの分量も非常に多いです。

これと対極にあるのが、永平寺の生活でしょう。食事はかなり貧しいようで、お粥やご飯、みそ汁を中心に副菜が少し、特に副菜の乏しさから脚気になる雲水(修行中の僧侶)が多いそうなので手放しにほめることはできないですが(この栄養バランスの悪さは著者が修行した当時のことなので現在は改善されているかも)、アメリカの食べ物に倦んだ私には魅力的に思えました。

ところで、結果がなかなか出ない時の研究は、修行に似ています。毎日、同じことの繰り返し。めぼしいことはなし。それでも、その行為自体に意味があるのでは、と思ってます。スランプも末期症状か。この先に何かあると信じています。
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2012年07月16日

新リア王

新リア王 上 [単行本] / 高村 薫 (著); 新潮社 (刊)

「太陽を曳く馬」の前作にあたる長編小説。禅僧の息子と代議士の父の対話を通じて、1960-1980年代の青森の政治史を舞台に、大物政治家の最期までを描いた大作です。主な登場人物は創作ですが、自民党の大物政治家は実名で出てきます。六ヶ所村の核燃料サイクル関連施設が作られた経緯や、地方分権のありかたなど、今日につながる問題が、実は長く複雑な経緯を辿っていることがリアリティを持って書かれています。また永平寺における禅僧の修行の様子も克明に書かれていて、大変興味深く読みました。
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2012年05月20日

太陽を曳く馬

太陽を曳く馬〈上〉 [単行本] / 高村 薫 (著); 新潮社 (刊)

仏教教理問答でたびたび言及されていて、読まずにはいられなかった作品。

村薫氏の小説は初めて読んだのですが、その重厚さと、芸術や宗教に関する深い思弁を惜しみなくサスペンス仕立てにしてしまう気前の良さにただ感心しました。僧侶の交通事故をめぐって刑事と僧侶たちの間で繰り広げられる対話と駆け引きの中で、登場人物それぞれの宗教観、芸術観を語らせるという形をとりながら、それが著者による宗教批評になっているという趣向です。
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2012年01月23日

宮崎哲弥 仏教教理問答

宮崎哲弥 仏教教理問答 [単行本(ソフトカバー)] / 宮崎哲弥 (著); サンガ (刊)

評論家/コメンテーターとして著名な宮崎哲弥氏ですが、彼がいろいろな所で言っているのは、彼の本当の関心事は政治経済問題などではなく、宗教やサブカルチャーであるということです。中でも「専門」は仏教であり、そんな彼の初めての仏教書がついに出ました。

若手の僧侶5人との連続対談ですが、やはり宮崎氏の立ち位置はインド仏教哲学の中観派で変わりなく、大乗仏教の論客たちとの対話も、それなりの一致点は見いだしつつも、やはり納得しきっていない様子が随所に見られます。確かに、極楽浄土が実在する、などと言われるとちょっと私も引いてしまいます。氏の関心事は、数多くある宗派の教義のどこに矛盾があるか、そして、どんどん付け加わって来た新しい教義、解釈の、どれをどうはぎ取って、本当に取り上げるべき考え方(哲学)は何かを示すことにあるように感じます。今後の著作にも多いに期待します。
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2009年11月11日

「自分の時代」の終わり


「自分の時代」の終わり

「自分の時代」の終わり

  • 作者: 宮崎 哲弥
  • 出版社/メーカー: 時事通信社
  • 発売日: 1998/08
  • メディア: 単行本




宮崎哲弥氏による評論集。主に雑誌に書かれた記事や短い評論、対談などの寄せ集めです。前半部分はサブカルチャーや世相に関する評論が主なので、あまり読んでも仕方ありませんが、第4部の対談集「神なき時代に信仰を問う」が非常に面白いです。

宮崎氏はどの宗教団体に属しているわけでもないけれど、自身を中観派の仏教者としています。前にも書きましたが、この思想は一見ニヒリズムのようだけれどそうではなく、科学や機械論的唯物論とも相性が良い、魅力的な考え方です。般若心経に出てくる、色即是空というやつです。
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2009年08月06日

カンディード


カンディード 他五篇 (岩波文庫)

カンディード 他五篇 (岩波文庫)

  • 作者: ヴォルテール
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2005/02
  • メディア: 文庫




進化生物学者にとってはちょっと重要な作品。社会生物学論争における「パングロス主義」は、この作品の登場人物、パングロス博士にちなんでいるそうです。

「この世のすべては最善」というのが、パングロス博士の主張です。生物の形質を論じる際に、無条件に、それが最適デザインであると思いこんでしまう事に対する警鐘として、「パングロス主義」なるレッテルが作られたのだと思います(グールドのスパンドレル論文を参照のこと)。

ちなみに、うちのボスが求める理想のポスドク像は、この作品の主人公「カンディード」なのだとか。かつてNature誌のインタビューでそう答えていました(pdfにリンク)。無邪気で勇敢(そして少しアホ)なのが理想のようです…。
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2009年07月01日

1Q84

1Q84 BOOK 1 (単行本)
村上 春樹 (著)
単行本: 554ページ
出版社: 新潮社 (2009/5/29)
ISBN-10: 4103534222
ISBN-13: 978-4103534228



空前のベストセラーですから、お祭り気分で読んでみるのもよいかと。

「ねじまき鳥クロニクル」以降、歴史や宗教などの社会派テーマを取り入れるようになった村上作品ですが、今回は、満洲から引き揚げてきた主人公の父の半生、安保闘争に挫折した人間の行き場所、新興宗教と社会とのかかわりなどをストーリーに絡めようとしています。

重要な登場人物である「ふかえり」と、その影響を受けた人たちの精神世界があまりにもファンタジーなので、それをリアルなものとして受け止められるかどうかで、評価が分かれてしまいそうです。私は、社会派の部分と、ファンタジーの部分がうまく混ざり合っていないように感じました。やはり「ねじまき鳥」が最高傑作だと思います。




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2009年05月17日

龍樹

龍樹 (講談社学術文庫)
中村 元 (著)
文庫: 459ページ
出版社: 講談社 (2002/06)
ISBN-10: 4061595482
ISBN-13: 978-4061595484



ちょっと宗教の話を。

実験がうまくいかなくてもケロッとしている私を見て、NY育ちのイラン系アメリカ人ポスドクT氏が、「その平静さは、東洋思想に関係しているんじゃないか。禅か?」と言い出しました。T氏に言わせれば、彼を含め他の人は、実験が不調だとかなりはっきり態度に出るが、私はそうではない、と。単に、日本人だから感情表現が控えめなだけのような気もしますが。

しかし、思想的というほどのものではないけれど、努力をするだけしてして、あとの結果はなるようにしかならないと思っています。もっと一般的なことを言えば、そもそも人は、それぞれに与えられた環境の中で本人なりにベストの選択をしているわけで、そしてその選択も、生まれつきの素養と、本人のこれまで過ごしてきた環境に依存しています。つまり自分というのはパッシブなもので、どんな行いにも、その結果にも、究極的な意味での因果的責任をもたない(というか自分という実体が幻想である)ということです。どんなひどい失敗も、「そうなる運命にあった」というだけです。こういう考え方を東洋思想のなかに探すとすれば、仏教の中観派(ちゅうがんは)の考えに近いと思います。

評論家の宮崎哲弥氏は自分の思想は中観派だとして、以下のように述べています。
「『自分』とは独立的実体ではなく、他の『流れ』に依存しながら生起し、一時すらも留まることなく流動している無数の『流れ』の、たまさかの『淀み』に他ならぬ」
[宮崎哲弥(wikipedia)]

中観派の開祖とされるのが龍樹(ナーガールジュナ、西暦200年前後のインドの人)で、大乗仏教の祖とも言われます。仏教を哲学的に突き詰めた人の一人のようです。その考えは、一切は空である、というもので、現代風に噛み砕けば、すべての存在は、関係性のなかで成り立っていて、個別的な存在は重要ではない、ということになるでしょうか。

このような考え方は、現代的にブラッシュアップすれば、科学との相性も悪くないのではないでしょうか。ちなみに私は仏教徒というわけではなくて、実家は神道です。しかし仏教哲学はなかなか深いというか、そこから学ぶべきものは多いと感じています。
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2008年04月25日

翔ぶが如く

翔ぶが如く (文春文庫)
司馬 遼太郎 (著)
文庫
出版社: 文藝春秋; 新装版版 (2002/06)
ISBN-10: 4167663031
ISBN-13: 978-4167663032



半年くらい前に第1巻を読み、間延びした展開に飽きてそのままにしていたのですが、2月頃から急に続きが読みたくなって続きを買い始め、6巻まで読んだあたりで渡米。続きが気になって仕方なく、各種オンライン書店で送料を比較検討したのち、アマゾンで7〜10巻までを購入。Fedexでほんの数日で届きました。送料は少し高めですが、まぁ許容範囲かな。

言わずと知れた西南戦争ものの歴史小説ですが、西郷、大久保あたりはともかく、桐野、川路などの薩摩人はこれを読むまで知りませんでした。「熊本城は、この青竹(いらさぼう)で、ひとたたきでごわす!」という桐野はかっこいい。

北大にゆかりの人として、やはり薩摩人の黒田清隆が出てきます。彼は西南戦争にも従軍しますが、その前後には北海道開拓長官として、北大の前身である札幌農学校の設立に関わっています。酒癖が悪く、クラークを札幌に連れて行く途中、酔っぱらって船の大砲をぶっぱなし岸の村人に迷惑をかけるなどの逸話も。クラークが農学校生に禁酒をさせたのはそれが原因だった??
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2008年01月13日

アメリカ素描

アメリカ素描 (新潮文庫) (文庫)
司馬 遼太郎 (著)
文庫
出版社: 新潮社 (1989/04)
ISBN-10: 4101152365
ISBN-13: 978-4101152363



もとは1985年に読売新聞に連載された司馬遼太郎のアメリカ旅行記。旅の過程で見たもの、会った人と話したことから、文明論に発展。アメリカを20世紀唯一の文明とみなし、周辺文化との関係性を考えつつ、街の様子を描写、解読していきます。文明(普遍的なもの)と文化(個別的なもの)を便宜上区別し、近代以前の中国文明との対比も交えつつ、アメリカの成り立ちと当時の状況を鮮やかに解釈。一読の価値アリ。
posted by シロハラクイナ at 13:41| ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | 書籍(文芸・人文社会) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月10日

翻訳夜話

翻訳夜話 (文春新書) (新書)
村上 春樹 (著), 柴田 元幸 (著)
新書: 260ページ
出版社: 文藝春秋 (2000/10)
ISBN-10: 4166601296
ISBN-13: 978-4166601295


パート1はこちら。主にアメリカ文学の翻訳についての、学生との質疑応答。村上氏と柴田氏による、カーヴァーとオースターの競訳も付いてます。正直な感想としては、パート2よりもこちらのほうが面白いです。
posted by シロハラクイナ at 11:50| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍(文芸・人文社会) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月09日

翻訳夜話2 サリンジャー戦記

翻訳夜話2 サリンジャー戦記 (文春新書) (新書)
村上 春樹 (著), 柴田 元幸 (著)
新書: 247ページ
出版社: 文藝春秋 (2003/7/19)
ISBN-10: 4166603302
ISBN-13: 978-4166603305


「キャッチャー・イン・ザ・ライ」の翻訳にまつわるよもやま話。原著者の意向により「キャッチャー」から削除されてしまった「幻の訳者解説」が収録されているのもポイント。前半の村上氏と柴田氏の対談は、「キャッチャー」を読んでからでないと意味不明なので注意。
posted by シロハラクイナ at 00:06| ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍(文芸・人文社会) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月08日

キャッチャー・イン・ザ・ライ

キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション) (新書)
J.D. サリンジャー (著), J.D. Salinger (原著), 村上 春樹 (翻訳)
新書: 361ページ
出版社: 白水社 (2006/04)
ISBN-10: 4560090009
ISBN-13: 978-4560090008


いわゆる、「ライ麦畑でつかまえて」。この歳になるまで、読んだことがありませんでした。タイトルから、勝手にメルヘンな内容を想像していたのですが、そんなわけはなく、学校をドロップアウトした金持ちの少年がニューヨークをうろつく話です。村上訳はこれまでの翻訳に比べて、文体がソフトになっているらしい。

あまりピンとこないというか、名作だという以上の感慨はありませんでした。もっと若い頃(10代ぐらい?)に読まねばいけない作品のようです。しかし1951年に書かれた作品とは思えない。日本だったら80年代以降に書かれそうな主題ですかね。

若者文化に与えた影響は大きく、発行は世界で6000万部。ネガティブなところでは、ジョンレノン殺害犯やレーガン暗殺未遂事件の犯人にも影響を与えたらしい。

ライ麦畑でつかまえて (wikipedia)
posted by シロハラクイナ at 23:04| ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍(文芸・人文社会) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月22日

楽天記

楽天記 (文庫)
古井 由吉 (著)
文庫: 332ページ
出版社: 新潮社 (1995/10)
ISBN-10: 4101185042
ISBN-13: 978-4101185040


同様に死や老いをモチーフにした作品ながら、「仮往生伝試文」よりも重く、読み進めるのに抵抗感を感じるのは、身近な人物の死が日常の中で語られているからなのか。あるいは、聖書に関するディテールを理解できていないだけなのか。もちろん、本作もすばらしいのだけれど、「仮往生伝試文」なみの作品をもう一冊読みたいと思うのは贅沢なのでしょうか。
posted by シロハラクイナ at 03:36| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍(文芸・人文社会) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月18日

ひきこもれ

ひきこもれ―ひとりの時間をもつということ (文庫)
吉本 隆明 (著)
文庫: 192ページ
出版社: 大和書房 (2006/12/10)
ISBN-10: 447930066X
ISBN-13: 978-4479300663


もう、このタイトルにやられました。内容に関しては、アマゾンのカスタマーレビューなど既に色々なところで紹介されていますので、そちらをどうぞ。
posted by シロハラクイナ at 21:11| ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍(文芸・人文社会) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月14日

祖国とは国語

祖国とは国語 (文庫)
藤原 正彦 (著)
文庫: 236ページ
出版社: 新潮社 (2005/12)
ISBN-10: 4101248087
ISBN-13: 978-4101248080


書類書きから現実逃避しながら読んだ本、第1段。

「祖国とは国語」、タイトルの通りです。あとはあちこちに掲載されたエッセイを集めたもの。「国家の品格」を読まれた方には、目新しいことは特に無いと思います。藤原ファンの方はどうぞ、という感じ。個人的には、国語も英語も大事だと思いますが、どうでしょうか。
posted by シロハラクイナ at 00:27| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍(文芸・人文社会) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月19日

マイ・ロスト・シティー

マイ・ロスト・シティー (文庫)
スコット・フィッツジェラルド (著), 村上 春樹

文庫: 217ページ
出版社: 中央公論新社 (1984/01)
ASIN: 4122011345

フィッツジェラルドの短編集。いいんだけれど、どうもガツンとこないというか、いまひとつな気がするのです。しかし村上春樹氏が前書きで書いているように、フィッツジェラルドは時間をおいてからジワジワくるとのことなので、しばらく待ってみることにしましょう。何ヶ月かしてから突然また読みたくなるらしいです。本当か??
posted by シロハラクイナ at 19:29| ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍(文芸・人文社会) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月11日

グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する

グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する 文春新書 (501)
佐々木 俊尚
新書: 248ページ
出版社: 文藝春秋 (2006/04)
ASIN: 4166605011


しばらく更新を休んでおりましたm(_ _)m。いまは札幌ですが、あさってからは「昆虫ワークショップ2006」のために金沢に行く予定です。ああ仕事が進まない…。

ワークショップの準備もせねばと思いつつ、そういうときに限って、ついつい仕事と関係の無い本を読んでしまったりします。今日の昼に生協書籍部で買ったのが、この本です。

いまやグーグルの無い暮らしは考えられませんが、その利用者の多さとシェアの高さ、保有する情報の豊富さによって、グーグルは強大な力を持ってしまったこと、そして今後ますますその力を増し、危険な存在になっていく可能性について述べています。

グーグルは各人の検索履歴を含めた膨大な個人情報を保持しています。やがてグーグルがすべてを知り、意に沿わないものは検索から排除する(これをグーグル八分と呼ぶ)ということが起こりかねないのだとか。あまり悪く書くと、このブログもグーグル八分されたりして…。

これまでは、監視社会といえば国家権力による中央集権型「ビッグブラザー」を想定していたが、ネットワーク社会の進歩により、国家による監視と民間のマーケティングによる監視が結びついた「アセンブラージュ」の到来が近いのだとか(←どうでも良いが、これらのネーミングはかっこいい)??

そしていずれは、映画「マイノリティーリポート」的な未来がこないとも限らない、そしてグーグルは神になる…とちょっとSF的すぎますが、読者の危機感を煽る終盤の構成はちょっと面白かったです。

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2006年07月17日

The Great Gatsby

The Great Gatsby
F. Scott Fitzgerald
ペーパーバック: 180ページ
出版社: Scribner (2004/11)
言語 英語
ASIN: 0743273567


プリンストンのUniversity Shopには、フィッツジェラルド関連の本が一通り揃っています。このくらい英語で読めるといいなと思い、グレートギャッツビーを買ってみました。いま読み始めたところですが(ゼミの準備からの逃避)、本の作りは意外にペラペラで、こんなに短かったっけ??という印象です。翻訳を先に知っていると、原著が薄く感じることはよくありますよね。日本語のほうが、漢字かな混じり文になるぶんだけ重厚になってしまうんですかね?

これが「カッコいい英文」の代表ってことになってるみたいですけど、英語の小説を読んだことがないのでよくわかりませんねぇ。日本の作家で言うと、太宰治みたいな感じなんでしょうか。セリフも結構多いので、教科書調ではない、かといって崩れてもいない、古風で自然な英語が覚えられるかもしれません。こういうのを日常的に読んでいれば。

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2006年07月04日

やがて哀しき外国語

やがて哀しき外国語 講談社文庫
村上 春樹 (著)
文庫: 286 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 講談社 ; ISBN: 4062634376 ; (1997/02)


久々の本紹介です。先日NYの紀伊国屋で購入し、その日のうちに一気に読んでしまいました。村上春樹がプリンストン大の客員研究員(visiting scholar)として過ごした2年間のエッセイです。当時はバブル全盛期でジャパン・バッシングがあった時期だそうで、日米関係や人種問題に関する内容もあり、そのような政治的な記述は村上春樹としてはとても珍しいと思います。でも基本的にはいつもの調子で、文学やら、食べ物やら、分からず屋への愚痴やらを語っています。

プリンストンという街に対する感想は全くそのとおりで共感します。曰く、「プリンストンの街は大学を中心とする穏やかな高級住宅街で、住民のほとんどは金持ちかインテリか、あるいは金持ちのインテリだから、…(以下略)」。プリンストン大は授業料が恐ろしく高いそうで(日本の国立大の10倍以上)、学部生は特に金持ちや名士の子弟が多いようです。おぼっちゃん大学ですね。

村上春樹も地元の床屋で苦労したあげく、結局ニューヨークの日系美容室に行っているのには笑いました。皆考えることはだいたい同じですね。

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