生物学・科学に関する雑感。

書籍の紹介が中心です


2017年08月15日

近況 しばらくは消さずにおきます

ここ数年間、更新することなく来てしまいました。

その間、いろいろなことがあり、相互リンクしていただいていたG-hopさんが作家になったり、JKJは教授になったり、自分も旅立ちが近くなったりしています。

数年ぶりに見ると、我ながらとても恥ずかしいことを書いていたりもしますが、すべて消すのも少しもったいない気もして、自分が特定されやすい記事をいくつか非公開にして、あとはしばらくこのまま置いておこうかと思います。私が誰か知っている方もいらっしゃると思いますが、知らないふりをしてください。

いつか、ここか、別の場所かわかりませんが、本の紹介を再開したいという気持ちはあります。
posted by シロハラクイナ at 20:41| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月20日

Impact Factor 2012 (インパクトファクター 2012)

Impact Factor 2012が出ましたね。もう速報性ではTwitterにかなわないですが、毎年恒例なので書いておきましょう。

今年の目玉は、

Scientific Reports 2.927

今年は1年目なので、来年はもう少し上がるでしょう。4.0くらいと予想しておきます。なんだか天気予報みたいになってきた。

昨年、今年のNat Communを9.2と予想しましたが、正解は10.015でした。 

<以下、具体的な数字は削除しました。>
posted by シロハラクイナ at 13:34| シカゴ ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月29日

Impact Factor 2011

Impact Factor 2011が出たようですね。

今年の目玉は何と言ってもNature Communicationsではないでしょうか。一説にはPLoSに対抗するために出したなどと言われますが、1年目の被引用データはどう出たでしょうか。

Nat Commun 7.396

ほぼ予想どおりではないでしょうか?Nature Communicationsのサイトによれば、「Nature Communications には、科学の領域における質の高い論文が掲載されますが、必ずしも Nature や Nature 姉妹誌に掲載される論文ほど広範囲にわたる科学的影響力をもつ必要はありません。」ということ、さらに姉妹紙(IF10-30くらい)に掲載されなかった原稿も回ると言うことで、しかしNatureのブランドもあるし、このくらいでしょう。

さらに、今年のデータは、1年分のデータ(2009年に出版された論文が2010年に引用された回数)に基づいているので、来年はもう少し上がると予想します。私の予想は9.2と書いておきます。

Nature Publishing Groupの担当者は、IF10-20くらいを目指して創刊していると言っているので、この発言は少し「盛って」いるとして、だいたい彼らとしても思惑どおりなのではないでしょうか。このリンク先には、オープンアクセスと学術出版の未来についての出版社の方たちの議論がまとめられており、大変おもしろいです。
http://d.hatena.ne.jp/min2-fly/20120229/1330530968

あとは、目立ったところでは、Scienceの数少ない姉妹紙であるScience Signelingですが、去年もでていたんですかね?気がつきませんでしたが、数値が出て二年目のようです。

Sci Signal 7.499 増

<以下、具体的な数字は削除しました。>
posted by シロハラクイナ at 04:00| シカゴ ☀| Comment(5) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月12日

TPPはまったく話題になっていない

アメリカでは、少なくともここマディソンでは、TPPは全く話題になっていませんし、こちらのニュースサイト、テレビなどでも全く聞いたことがありません。もちろん専門家や国際情勢にとても詳しい人は知っているのでしょうが、それでも数多くある政治課題のひとつに過ぎないと思います。日本での報道の多さと比べると対照的だと思います。

アメリカにとってTPPはどういう意義を持っているのか、に関しては、大前研一氏の指摘が納得のいくものです。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20111107/289750/?ST=business

また経済の視点から見たTPPの利点、または反対派の根拠の無さについては、池田信夫氏のコラムが有名だと思います。
http://ikedanobuo.livedoor.biz/

自由貿易の問題は、グローバリズムをどう考えるかという問題でもあります。TPPがどうなろうとも、世界中で同一労働同一賃金に向かって行く流れは止められませんし、それを制限することにどのような理論的、道義的根拠を与えることができるのか私にはわかりません。
posted by シロハラクイナ at 01:58| シカゴ ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月06日

Madの名前の由来

そういえば、Mad (Mothers against dpp)の名前の由来について、長いこと疑問に思っていました。なぜmotherではなくて mothers、ofでなくagainstなのかと。

先日、何気なく同僚に訊いたところ、あっさり教えてもらうことができました。Mothers against drunk drivingという社会運動をもじっているのだとか。それで裏をとろうと調べてみると、確かに「Imaginal Discs」にも同様の記述がありました。

Imaginal Discs: The Genetic and Cellular Logic of Pattern Formation (Developmental and Cell Biology Series) [ハードカバー] / Lewis I. Held Jr (著); Cambridge University Press (刊)
posted by シロハラクイナ at 05:05| シカゴ ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月25日

旭川

しばらく日本に来ています。旭川、札幌から、つくば、三島と巡る予定です。

動物学会(旭川)での関連集会は好評でひと安心。オーガナイザーの方たちに感謝です。札幌のボスは奨励賞受賞、おめでとうございます。教育賞を受賞したムツゴロウさんに握手を求めたら、思いのほか会話が盛り上がってしまい、カメラが寄って来て「とくダネ!」に出てしまうという意外なハプニングもありました。
posted by シロハラクイナ at 21:24| シカゴ ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月11日

なぜ新ジャーナルはCellやNatureを超えられないか

このあいだ、来年創刊される新ジャーナルについて、私は応援したいけれども、そのステータスはCellやNatureを超えないだろうと書きました。そう考える理由を書きたいと思います。

1. 投稿する側の心理
もしもあなたがCellもしくはNatureに載るくらいのデータを持っていたらどうするか?将来的にどんなステータスになるかわからない新ジャーナルに投稿するでしょうか?履歴書にCellやNatureがあれば、それがベストでしょう。仮に新ジャーナルがCellやNatureと同程度のステータスになったとしたって、同格ならば問題ないです。一番最初から新ジャーナルに投稿する人がいるとしたら、新ジャーナルのほうが将来は高いステータスになると踏んでいる人か、CellやNatureを恨んでいるPIなどが考えられますが、そう多くはないでしょう。創刊直前には、有名PIのもとに「ぜひ投稿してほしい」という案内が行くでしょうが、筆頭著者などの若者の将来がかかっていますから、いくら新ジャーナルを応援したいとしても、はじめから新ジャーナルに、という決断はしにくいでしょう。自分が筆頭で、すでに一流ジャーナルに沢山論文がある人は、バラエティーをだすために新ジャーナルに、ということも考えられますが、これも多くはないでしょう。

2. では、どんな原稿が集まるか
なかなかいいけれども、CellもしくはNatureに載せるのは難しそうな原稿、もしくはリジェクトされた原稿が集まるでしょう。そうすると、Cell姉妹紙、Nature姉妹紙くらいのレベルの原稿が集まるのではないでしょうか。まさにこういうことが起こったのがPLoS Biologyの創刊のときだったと思います。今回も同じことが起こるでしょう。

3. 最初から、トップをとるにはどうしたらいいか
この新ジャーナルがトップを採るためには、入念に作戦を練るべきです。前記のように、たぶん普通に原稿を集めてはだめです。有名PIに、ご祝儀で先端的なレビューを書いてもらい、レビューをたくさん載せる。オリジナル論文は、極端に数を抑制し、ずばぬけたものだけを載せることです。また、メソッドやプログラムに関する論文も、特に厳選して載せるといいでしょう(まれに数千回引用されるお化け論文になる可能性があるため)。これを2年ほど続けると、研究者のコミュニティーのなかで、非常に優れた論文しか載らない雑誌として認知され、また高いIFが付くでしょうから、これでやっと一流紙と互角のスタートが切れるでしょう。

4. 他にも、レベルを下げる要因が
新ジャーナルを立ち上げる大義として、現在の一流紙は査読者による書き直しや追加実験の要求がきつすぎることが挙げられています。裏を返せば、新ジャーナルではこのような要求が弱まるということで、著者にとっては楽になるものの、論文の質の低下につながるでしょう。大義を守りつつ、トップをとるのはとても難しいミッションになるでしょう。
posted by シロハラクイナ at 06:23| シカゴ ☀| Comment(6) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月30日

Impact Factor 2010 (インパクトファクター 2010)

さて、今年も新しいインパクトファクター(IF)が発表されました。ざっと見たところ、あまり目立った変化はありません。2年目のPLoS ONEがほぼ同じ数値を保っているのが良いニュースでしょうか。

<以下、具体的な数字を削除しました。>
posted by シロハラクイナ at 01:00| シカゴ ☀| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月29日

来年の夏に新しい生命科学ジャーナルが創刊される

たぶん研究者コミュニティーにとっては大きなニュースだと思うのですが、Howard Hughes Medical Institute, Wellcome Trust, Max Planck Societyが中心になって、新しい生命科学ジャーナルを創刊するということです。最高のジャーナルを目指し、オープンアクセス、少なくとも最初の数年は掲載料も取らないということです。

Three Biomedical Funders to Launch Open Access Journal (Science)

創刊のモチベーションになっているのは、トップジャーナルでは科学者でない人間によって編集が行われ、採否の決定権は編集者にあるものの、科学的妥当性を巡ってレビュワーと何度もやりとりするために査読が長引き、何度も何度も修正やデータ追加を要求されることに対する不満があるようです。

似たような経緯で創刊されたPLoS Biologyは、生命科学誌のトップであるCellを喰ってしまうほどにはならなかったし、前にも書いたように著者から掲載料を取るモデルで経営的に行き詰まり、中位ジャーナルであるPLoS ONEを創刊することで持ち直しましたが、今となっては圧倒的論文数を持つPLoS ONEのほうが主役になってしまった感があります。(例えば、2008-2009の論文数は、PLoS Biology 214に対し、PLoS ONE 6714です。実に30倍以上。)

今回の試みの新しい点は、この3つの母体が圧倒的な資金力を持つことで、正直なところ、ジャーナルが赤字だろうとまったく構わないのでしょう。なので、査読者にギャラを払うという噂まであるようです。

Natureは相変わらずこの手の動きには批判的で、内部のライターを使って「ビジネスモデルが見えない」と書かせていますが、今回の動きは営利目的ではないので、まったく的はずれでしょう。PLoSのときには、批判的な割にはNature CommunicationsやScientific Reportsなどを創刊して、対抗意識まるだしでしたが、さて今回はどうなるでしょうか。

Three major biology funders launch new open access journal, but why exactly?

私個人的には、やっぱりCellやNatureを喰うところまでは行かず、PLoS BiologyやCurrent Biologyあたりと一緒に団子になると予想しておきます。でも、もしも本当にトップを奪ったら快挙なので応援したいです。
posted by シロハラクイナ at 04:45| シカゴ ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月11日

トップジャーナルのありかたについて

トップジャーナルのありかたについて、あまり語る資格はなさそうですが、小物だけに言えることもあると思うので言っておきます。

生物学の研究者にとって、CNSあるいはビック3と言われる、Cell, Nature, Scienceですが、これらは他の多くの専門誌と色々な点で異なっていると思います。特に顕著な違いは、編集長、編集者らが、現役の科学者でなく、多くがPhDを取った後に出版界に転じた人たちということでしょうか。つまり論文の採否の最終決定が、科学者でない人によって行われるということです。

彼らは多くの一流の論文を読んできていますから、かなりの見識があるのは確かだとは思いますし、レフェリーはその分野にフィットした専門家がやりますので、論文の個別具体的な問題点についても見落とさないことが期待されますが、現実的には見落とすこともあるでしょう。そして、採否の際に、データや論理構成とともに、あるいはそれ以上に重視されるのが、分野の垣根を越えた革新性、インパクトなどです。これは商業誌である以上、おそらく仕方のないことで、彼らの目的関数は、科学の進歩、ではなくて、商業的成功(=部数)であるだろうからです。つまり本当であろうと無かろうと話題になったもの勝ちということですね。これはNatureで特に見られる傾向だと思います。


では、編集長、編集者を現役の科学者にやってもらうといいのでは?と思いますが、トップジャーナルともなると、投稿量は半端じゃないので両立は困難ですし、編集者や彼らと親しい人の研究室からその雑誌に論文が出ると、ひいきしているのではないかという目で見られるなど、別の問題が出てくると思います。

PLoS Biologyは、既存のトップジャーナルへの不満がたまっていた科学者による設立、運営で、トップジャーナルを目指しましたが、いまのところ、上記の3誌ほどの地位は得られていないです(そして、言いにくいけれど"お友達が有利" との批判も聞かれないことはないです。)。また、オープンアクセスであるという別の問題との関係が強いですが、経営的にはPLoS Biologyは失敗したと言われていて、PLoS ONEとセットにすることでやっていけているという状況です。しかし、個人的には、PLoSは既存のシステムに風穴を開けたという点で、大いに評価されるべきと思います。Nature Communicationsの創刊はPLoSに対抗する意図だと思いますし、既存の雑誌の地位がずっと安泰であるわけではないと思います。何にせよ、絶対的な権威があるというのは面白くなくて、常に栄枯盛衰やターンオーバーがあるというのが健全なのではないでしょうか?

私個人の好みで言えば、いまだに読んで一番面白いのはNatureだと思いますし、時々変な論文が載るのも楽しみです。ただ長く権威の座に留まり過ぎではあると思います。科学的な健全さで言えばCellが理想なのでしょうが、ちょっと退屈なところがありますね。
posted by シロハラクイナ at 14:55| シカゴ ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月13日

National laboratory mustache day

2月11日は、全米研究室ヒゲの日です。

http://labmustacheday.blogspot.com/
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2011年01月27日

祝20万ヒット

ご愛読ありがとうございます。

カウンターのセッティングは適当ですが、まぁだいたいということで。このブログは開設してからもう5年が過ぎました。
posted by シロハラクイナ at 17:29| シカゴ ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月31日

事業仕分けと来年度予算案

今月は一度も書いていなかったので、ひとこと。

例のパブリックコメント募集から事業仕分け第3弾にかけて、研究者コミュニティーは大騒ぎになり、しかも仕分の結果を受けた評価会議では、「成長を牽引する若手研究人材の総合育成・支援イニシアティブ 」がC判定、「「強い人材」育成のための大学の機能強化イニシアティブ 」がB判定(補正措置含む)とされ、予算大幅カットは確実と思われました。

しかし菅首相のリーダーシップ(?)により、突如、科学技術関連予算の増額が発表され(12/22)、科研費は約30%増額(2633億円)で予算案に組み込まれました。さらに「成長を牽引する若手研究人材の総合育成・支援イニシアティブ 」に含まれていた特別研究員PD事業も約30%の増額(60億円)、テニュアトラック普及・定着事業も新規扱いで81億円が計上されました。若手研究者にとっては満額回答と言ってよいでしょう。この一連の騒動のため、来年度から採用のPDは採用内定が保留されていましたが、予算案の閣議決定を受けて無事内定を受けた人たちが沢山いるようです。よかったよかった。

平成23年度予算案
http://www.mof.go.jp/seifuan23/yosan.htm

一方でもちろん問題点も多数あります。まずは、仕分け関係の制度が固まっていないために、先行きが不透明であることから皆が疑心暗鬼になり、その都度、署名だパブリックコメントだと、大騒ぎになること。では騒がなければいいかというと、本当に予算をばっさり切られるとシャレにならないので、ノーベル賞受賞者を担ぎだしたり、学会で提言を取りまとめたり、その時点では本気を出さざるを得ない訳です。

そして、パブリックコメントが突出して多かった文部科学省の事業が、評価会議で低い評価を受け、しかしそれは必ずしも予算案に反映されていない。原理原則がしっかりしておらず、切られる側はもとより、仕分け関係者も脱力していることと思います。若手研究者側から見ても、仕分けのワーキンググループで科学技術振興調整費が廃止となった時には愕然としましたが(従来、テニュアトラック事業はここに含まれていた)、結局、テニュアトラック事業は新規扱いで見事に復活したのでした。

大学の運営費交付金、私学助成などは微減、グローバルCOEは10%減ということで、厳しい部分もありますが、ほぼ覚悟していた通りといったところでしょうか。グローバルCOE拠点など、当事者の方達のご苦労はお察しいたします。しかし、そもそもグローバルCOEやグーロバル30などが、その予算規模に見合った成果が見込まれる事業だったか、つまり同額を科研費にしたほうが有効なのではと多くの研究者がつぶやいていたことを考えると、大筋としては正しい方向に向かっているのではないかと思います。

来年はもしかすると総選挙があるかもしれませんし、また署名だパブコメだと騒ぐことになるかもしれませんが、雨降って地固まる、となると良いですね。よいお年を。
posted by シロハラクイナ at 16:34| シカゴ ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月18日

事業仕分け第3弾後半

こちらは夜中ですが、GCOEなど、大学関係の予算の仕分けをネット中継で見ています。かなり切れますが、何度もリロードして見ている状態。肝心のGCOEの結論部分を聞き逃しましたが、一割以上縮減ということで合っていますか?再仕分けにかけられたにしては、良く踏みとどまったと言うべきでしょうか。

文部科学省の方々も、予算を切られまいとして奮闘していますが、「地域・社会の求める人材を養成する大学等連携事業」など、かなり厳しい事業があるのも確か。結局のところ、大学の構造的な問題を放置したまま、細かな課題に対してそれぞれ対処療法的な(そしておそらくあまり効果的でない)政策を続けてきたことが問われているのではないでしょうか。短い時間とはいえ、事業仕分けでもなければ、このような個々の事業に対して、国会議員や有識者、官僚が公開の場で議論するようなこともなかったと思いますので、それなりに意義はあったのではないでしょうか。良く聞こえなかった部分もあるので、あとでまとめの資料が出てきてから、もう一度中身を見てみたいと思います。

また、説明者の方々(政務官と官僚)にも、ぜひ名札をつけて頂きたかったです。「説明者」っていう名札は、あまり意味がないような気が。
posted by シロハラクイナ at 16:53| シカゴ ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月12日

BlastStation

自分のハードディスクに保有しているシークエンスに対してBlastをかけるのに便利なソフトを発見し、最近はこれを使っています。WindowsにもMacにも対応しているようです。

BlastStation-Free
http://www.blaststation.com/freestuff/ja/products_bsfree.html

検索結果は視覚的に表現されるし、個別の配列も簡単に取得できます。これは便利。ただしユーザー登録が必要です。
posted by シロハラクイナ at 09:17| シカゴ ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月02日

近況

このところの懸案だった原稿をついに脱稿。11巻構成の巨大シリーズの、ごくごく一部です。私の担当分15ページでこれだけ苦しむのだから、本一冊書いた水嶋ヒロは、それだけで十分尊敬に値すると思う。

ゲノム読みはやや進んで、現在第1弾のアセンブリが出てきた段階。300bpの断片の両側から75bpずつ読んだものなので、やはりアセンブリに難あり。まだひとつひとつのコンティグが小さく、あまり使い物になりません。第2弾として、今週から来週にかけて、メイトペアという方法で、5kbの断片をライゲーションして環状にし、それを再び細断してから、ライゲーションのつなぎ目付近を両側から36bpづつ読むということをやります。そうすると、5kb近い断片の両側の配列が手に入るので、これを第1弾のシークエンスと混ぜてアセンブルすることにより、より大きなコンティグが作れる…はず。この方法ができることにより、シーケンスのリードの長さはあまり問題ではなくなって、454の優位性が弱まったという気がします。これでどんな生物でもホールゲノムショットガンで、1ランか多くても数ランで終わってしまうようになりました。

メーカーによるメイトペア法の解説。
http://www.illumina.com/technology/mate_pair_sequencing_assay.ilmn

Blastを自分の手持ちのデータに対して行うため、NCBIからblastをダウンロードしてセットアップ。Windowsでは、BioEditというソフトでローカルBlastができるようですが、Macだとターミナルからコマンド入力せねばなりません。なんかプログラマーみたいでかっこいいですが、使いこなしていないので、ヒットが来ないときに、本当に相同な配列が無いのか、自分が悪いのかよくわかりません。ラボにインフォマティックスのできる人が居るといいのですが。日本の統合TVには、かなりお世話になりました。

統合TV。これは多言語で世界展開すべき。うちのラボのアメリカ人も見ています。
http://togotv.dbcls.jp/
posted by シロハラクイナ at 15:38| シカゴ ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月19日

政策コンテスト 研究予算をつぶされないために 4

あと数時間で締め切りです!またパブリックコメントを書いていない方はぜひ。

http://seisakucontest.kantei.go.jp/
posted by シロハラクイナ at 12:37| シカゴ ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月12日

Hoxは何の略?

いま、ある原稿を準備しているのですが、Hox遺伝子群のHoxって、何の略だったかはっきりわからず、80年代の文献をいろいろ漁っています。ショウジョウバエの場合は、発見後しばらくの間はAntp complex(とUbx complex)とか、Hom-Cなどと呼ばれていたので、Hoxというのは明らかに脊椎動物から出てきた言葉です。

現状でたどり着いた最も古い文献は、

Homeo box gene complex on mouse chromosome 11: molecular cloning, expression in embryogenesis, and homology to a human homeo box locus.
Hart CP, Awgulewitsch A, Fainsod A, McGinnis W, Ruddle FH.
Cell. 1985 Nov;43(1):9-18.

”Hox-2 (the second homeo box region described in the mouse genome)" と明記されているので、HoxのHはhomeoの頭文字、oxはboxの語尾ということで大丈夫でしょうか。

いまではHox遺伝子以外にも、homeoboxを持っている遺伝子は沢山知られているので(homeobox 遺伝子と呼ばれている)、なんだか適切な略語ではなくなっている気がしますが。

ついでに、脊椎動物ではよくxで終わる遺伝子名があり、これらはhomeoboxを持っているような気がしますが(未確認)、だとするとxはhomeoboxから一文字だけ持ってきているということ?
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2010年10月11日

政策コンテスト 研究予算をつぶされないために 3

さて…少々古いですが、予算を切りたい財務省サイドの見解がよくわかるインタビュー記事がありましたのでリンクしておきます。あちこちで紹介されているようなのでご存知の方もいると思いますが、まだ見ていない方は是非。あちらサイドが大学や研究と予算の関係についてどう考えているのかよくわかります。

真の教育、研究水準の向上につながる大学改革とは
http://www.rieti.go.jp/jp/special/dialogue/07.html

文教系の人々が思っていても言いにくい事をけっこうグサッと言っています。GDP比で3.5%という日本の教育予算はOECD平均で最低水準とされるけれども、実は子供の数も少ないのでその分を補正すると子供一人あたりの教育予算はOECD平均並みである、という主張から始まり、大学の機能分化(教育か研究への特殊化)の必要性、古い研究分野(を担当している部局)の整理の必要性、学長の選考方法や経営能力の問題などなど。

さすが財務官僚というか、まるで大学予算を切れば切るほど大学が良くなるかのような口ぶりですが、こういう論調にも有効に反論できるようにならなければいけません。
posted by シロハラクイナ at 15:37| シカゴ ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月10日

政策コンテスト 研究予算をつぶされないために 2

政策コンテストについて勉強中。

例によって、官邸の思いつき(そしておそらく背後には財務省)によって行われる政治ショー兼、予算削減祭りであります。事業仕分けでは、我々研究者コミュニティーも実害を被り、また長期的視点を欠いた浅はかな見せ物の構造に憤りを抱いたものですが、ゲームが始まり、そこに放り込まれてしまった以上、できるだけ無傷で、できれば良いスコアで切り抜けなければいけません。

今回の政策コンテストは、正式名称「元気な日本復活特別枠」。来年度概算要求について、各省が今年度比で一律10%削減、その削減相当額を新たな要望に振り分けることができ、その採否は政策コンテストで決める、ということのようです。削減を10%以上行った省庁は、その余計にがんばった分(例えば11%削れば1%)の3倍(この例だと3%相当額)を要求することができるそうです。これによって、削減をがんばらせようという意図ですね。

まずは各省庁に削減項目と要望項目を出させ、要望項目それぞれについてパブリックコメントを募集し、それらを「参考に」ししつつ、国会議員や民間有識者による「評価会議(仮)」によって政策の優先順位を検討したのち、最後は総理大臣が決定する、ということです。

この手法の問題点はいろいろありますが、そもそも各省庁一律10%削減というのは乱暴な話で、予算の柔軟性がもともと低い省庁(人件費の割合が高い防衛省など)もありますし、教育研究のように削ると末代まで悪影響が及ぶであろう分野もあります。また、国民の意見を聞いて決めたのだからという、予算削減のアリバイに使われるのは必至です。また、「有識者」をどのように選ぶのかも不透明で、事業仕分けの時のように、事情をおわかりになっていない方々が紛れ込むのもほぼ確実だと思われます。

とはいえ、直接に国民の声を反映させるチャンスがあるという意味では、何もやらないよりはいいのではないか?いずれはきちんと制度化して、批判を受けつつ問題点を修正して行けばいいのではないか?という気もいたします。また、自分が関心を持っているあるいは必要と思っている事業について応援できる(しないと切られるのでせざるを得ない訳ですが…)だけでなく、不要と思われる分野(明らかなバラマキ…)について批判できるというのも重要な点かと思います。

http://seisakucontest.kantei.go.jp/index
posted by シロハラクイナ at 05:48| シカゴ ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする