生物学・科学に関する雑感。

現在ウィスコンシン・マディソンに研究留学中


2007年06月29日

似せてだます擬態の不思議な世界

似せてだます擬態の不思議な世界
藤原 晴彦 (著)
単行本(ソフトカバー): 204ページ
出版社: 化学同人 (2007/1/20)
ISBN-10: 4759813020
ISBN-13: 978-4759813029


藤原先生の擬態本。確かに擬態は有名な現象であるにもかかわらず、正面から取り上げた読み物は意外に少ないので、こういう切り口でのまとめは貴重なのでは。

自然界における擬態の個々の例が興味深く、読んで以来、特に葉に擬態したコノハギスの話が気になっています。葉が一部枯れたように欠けていて、しかもそのパターンが個体ごとに異なっているのだとか。いま私は(趣味で)カレハカマキリを2頭飼育しているのですが、枯葉に似せた胸部の形態がかなり違っているのです。このような形態の不安定性は、どのように作り出されているのか?気になる現象です。
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2007年06月24日

退化の進化学

「退化」の進化学 (新書)
犬塚 則久 (著)

新書: 206ページ
出版社: 講談社 (2006/12/20)
ISBN-10: 406257537X
ISBN-13: 978-4062575379

大学生協で購入しました。ヒトの退化器官をとりあげ、祖先の退化していない器官と比較していく、というスタイルです。平易で読みやすいです。

退化器官では個体変異がとても大きいとのことで、たとえば手首に浮き出る腱(長掌筋の腱)を持たない人は3〜6%もいるのだとか(←黄色人種の場合。なんと白人では10〜40%!)。他にも似たような例が多数。ヒトは形態的にも、けっこう変異に富んでいるものなんですね。面白かったので、おすすめです。
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2007年06月15日

日本一の昆虫屋

日本一の昆虫屋 志賀昆虫普及社と歩んだ百一歳 (文庫)
志賀 卯助 (著)
文庫: 266ページ
出版社: 文藝春秋 (2004/8/4)
ISBN-10: 4167660776
ISBN-13: 978-4167660772


志賀昆虫普及社の設立者、志賀夘助氏の自伝。彼の渾身のオリジナル商品であるステンレス有頭針、我々の研究室でも愛用しています。特に若いころは苦労されていたんですね。先日、104歳で亡くなられたそうです。ご冥福をお祈り致します。
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2007年05月31日

DNAからみた生物の爆発的進化

DNAからみた生物の爆発的進化 (単行本(ソフトカバー))
宮田 隆 (著)
単行本(ソフトカバー): 198ページ
出版社: 岩波書店 (1998/07)
ISBN-10: 4000066269
ISBN-13: 978-4000066266


シリーズの分子進化編。動物の多様化にともなって遺伝子に何がおきたか、という個々の例がたいへん興味深いです。オプシン、Gタンパク、チロシンキナーゼ、Paxなど。あとは、ちょっと聞いたことはあったけれど、「脊椎動物のレンズクリスタリンは様々な酵素から独立に生じている」という話には改めて驚き、本書が書かれたあとの研究の進展をフォローしたくなりました。
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2007年05月30日

ヒトはいかにして生まれたか

ヒトはいかにして生まれたか (単行本(ソフトカバー))
尾本 惠市 (著)
単行本(ソフトカバー): 159ページ
出版社: 岩波書店 (1998/03)
ISBN-10: 4000066307
ISBN-13: 978-4000066303


「ゲノムから進化を考える」シリーズの人類学編。入門書ということもあって、かなり平易で読みやすいですが、ちょっと物足りない気がしました。また98年刊行というせいもあるのか最近の化石人類についての情報が少なく、もっと情報を盛り込んでほしかった。しかし人類進化の概要を手軽に概観するにはよろしいかと思います。
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2007年05月26日

飛ぶ昆虫、飛ばない昆虫の謎

飛ぶ昆虫、飛ばない昆虫の謎 (単行本)
藤崎 憲治 (著), 田中 誠二 (著)
単行本: 268ページ
出版社: 東海大学出版会 (2004/03)
ISBN-10: 4486016351
ISBN-13: 978-4486016359


昆虫の翅多型に関する総説集。いずれもコンパクトでわかりやすく良い総説だと思います。長翅・短翅や有翅・無翅のような多型は、本当に様々な分類群で知られていること、その制御に関しても様々な方向からアプローチされていることを実感しました。
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2007年04月14日

遺伝学ノート ショウジョウバエと私

遺伝学ノート―ショウジョウバエと私 (単行本)
森脇 大五郎 (著)
単行本: 190ページ
出版社: 学会出版センター (1988/03)
ISBN-10: 4762205400
ISBN-13: 978-4762205408


都立大学の設立に参加し、さらに遺伝学講座の初代教授を務められた森脇先生の自伝的作品。

モルガンらによる白眼変異体の発見とショウジョウバエ遺伝学の創設、染色体が遺伝子の担い手であることの証明、染色体地図の作成、乗り換えの証明、唾腺染色体の発見、という怒濤のような遺伝学の歴史。そして森脇先生が神田の青果市場でたった一匹のアナナスショウジョウバエを採集し、遺伝学を始められ、そして戦争があり、戦後の研究再開と都立大の設立、放射線影響特別委員会での活動、そして退官後はまた都立大でアナナスショウジョウバエの仕事。

偉大です。どんな苦労をしても研究を続けられたその情熱に、ただただ頭が下がります。遺伝学の始まりとその基礎的な概念を人間模様とともに書く、そんな事ができるのは当事者しかいないだけに、実に貴重な記録。
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2007年03月04日

日本語の作文技術

日本語の作文技術 (文庫)
本多 勝一 (著)
文庫: 342ページ
出版社: 朝日新聞社出版局 (1982/01)
ISBN-10: 4022608080
ISBN-13: 978-4022608086


「読む側にとってわかりやすい文章」とは何か、をテーマに、文章の書き方を説いています。特に「、」の打ち方は勉強になります。どうしても英語の「,」の打ち方に影響されてしまいがちですが、節の構造と関係なくても必要な場所はあるということで。

良くも悪くも独特の日本語文章論だと思いますが、特にびっくりさせられたのは、“日本語には主語などない”ということです。確かに、主語+述語的な捉え方は“西欧文法”を日本語に強引にあてはめて成立したのかもしれません。

すべてに賛成できるわけではありませんが、日本語作文の入門書としては有名なだけあって、参考になることが多く、研究者にも役立つと思います。アマゾンのカスタマーレビューにも本書の様々な評価が書かれているので参考にしてください。
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2007年01月17日

アメリカの研究費とNIH

アメリカの研究費とNIH (単行本(ソフトカバー))
白楽ロックビル (著)
単行本(ソフトカバー): 196ページ
出版社: 共立出版 (1996/08)
ISBN-13: 978-4320054462
ASIN: 4320054466


Amazonに新品の在庫が無かったので、定価よりやや高い値段でマーケットプレイスで購入。内容は主にNIHの研究費の種類や特徴、審査の方法などに関するレポートで、ともすれば退屈になりそうな内容ですが面白く読めるように工夫されています。内容が(おそらくは)そろそろ古くなってきているのと、入手が困難になっているのが難といえば難ですが、アメリカの研究事情に興味がある方は読む価値アリだと思います。

最後に書かれている「日本への提言」は、研究費の審査報告書を申請者に送付する、研究者として若いときに独立させる、などですが、これはたぶん多くの関係者が考えていること近く、今まさに実現しつつある変化ですね。本書が業界に与えた影響もあるのかもしれません。

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2006年12月14日

免疫染色 & in situハイブリダイゼーション最新プロトコール

免疫染色 & in situハイブリダイゼーション最新プロトコール―抗体・プローブの作製から手法の選択,顕微鏡観察まで実践テクニックが余さずわかる! (単行本)
野地 澄晴 (編)
単行本: 199ページ
出版社: 羊土社 (2006/09)
ASIN: 4897064198


しばらくやっていなかったin situをまた始めようかと思い、最新のプロトコール集をチェック。待ち時間の長い実験(組織切片の染色)をしながら、一通り目を通しました。

1997年版のプロトコール集は知っていたのですが、さすがに9年間もたつとだいぶ変わったという印象です。量子ドット、ワックス切片、 in situチップなどの技術を初めて知りました。また、序章の「遺伝情報と形態情報をいかに統合するか」に関するレビューは、近年の状況がとてもコンパクトに分かりやすくまとまっていて、とても勉強になりました。

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2006年12月10日

脊椎動物の多様性と系統

脊椎動物の多様性と系統 (単行本)
松井 正文 (編集)
単行本: 403ページ
出版社: 裳華房 (2006/09)
ASIN: 4785358300


発売直後に大学生協で買いましたが、まだ紹介していませんでした。バイオディバーシティーシリーズの第7巻です。

脊椎動物の概要を知るのにもってこいで、昆虫を扱っている私としても、これは必携。ひととおり読むだけでも脊椎動物の進化が頭の中をザーっと入ってきます。価格は安くないですが、この内容からすればリーズナブルです。

「無脊椎動物の多様性と系統」の紹介はこちら↓
無脊椎動物の多様性と系統

前にも書きましたが、そろそろ「節足動物の多様性と系統」が出るはずなんですが…。

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2006年12月06日

脳とクオリア

脳とクオリア―なぜ脳に心が生まれるのか (単行本)
茂木 健一郎 (著)
単行本: 325ページ
出版社: 日経サイエンス社 (1997/04)
ASIN: 4532520576


脳内現象 (単行本)
茂木 健一郎 (著)
単行本: 245ページ
出版社: NHK出版 (2004/6/24)
ASIN: 414091002X


茂木さんは最近ものすごく沢山の本を書かれているようですが、やはりどれか重要そうなものを一冊ということになると、「脳とクオリア」ではないでしょうか?

ここに書かれていることがどのくらい妥当あるいは突飛なのか、専門外の私にはわからないのですが、大変面白かったのは確かです。テーマはもちろん、「なぜ脳に心が生まれるのか」。

しかし中盤の「相互作用同時性の原理」あたりから、相対性理論とのアナロジーでもって、意識における時間の流れについて論じているのですが、うーん、よくわからず。意識は(離れたニューロンがお互いに関わり合って認識の内容が成立しているから)非局所的な性質をもつ、というのはOK。認識の時空の中では認識は局所的なプロセスである、というのは「?」です。さらに、認識の時空は物理的時空とは異なる、と言われても…。意識の問題を考えると、時間とか空間の枠組みまで考えなければいけないとは知らなかった…。生物系というよりは物理系のワールドですね(著者が物理畑出身と言うこともあるのでしょうけれど)。257頁の「ニューロンの存在する物理的時空と認識の時空」という図は必見です。時空間上にある"同時性円錐"にニューロンが埋め込まれています。なんだかよく分からないけどスゴい。

もう一冊のほうの「脳内現象」は「脳とクオリア」と比べるとずっと穏やかで受け入れやすい内容のように思います。「メタ認知的ホムンクルス」というアイデアがこの本のうりかな?不変項である〈私=メタ認知的ホムンクルス〉と、変項として機能する「クオリア」が出会うことで人間の意識は生み出されている、のだそうです。

最後に「認知的閉鎖(cognitive closure)」という概念が紹介されているのも面白かったです。これは、「自然界の様々な生命体を観察するとそれぞれの種に固有の認知的限界が存在するのは明らかであり〜中略〜人間も、結局は人間という種固有の認知的閉鎖の中にいる」ということ。つまり人間はアホすぎて意識の問題は解けないんじゃないの、というつっこみです。同時に、読者固有の認知的限界(=本の内容が難しすぎて理解不能)も存在しそうです。

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2006年11月16日

異端の脳がホンモノ!

異端の脳がホンモノ!
竹内 薫, 茂木 健一郎 (著)
文庫: 288ページ
出版社: 大和書房 (2006/11/10)
ASIN: 4479300597


前半が竹内氏、後半が茂木氏による、異端科学者についての短い論評を集めたものです。「トンデモ科学の世界」を文庫化したものだそうです。

科学者(の学説)を「キレてる度」と「将来性」、それぞれ星1〜4つで(適当に?)評価していますが、これがなかなか判りやすくて良いです。やはり科学者はキレてないとだめですね。なお、星8つもらっているのはファイヤアーベントとペンローズです。

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2006年10月14日

かたちの進化の設計図

かたちの進化の設計図
倉谷 滋 (著)
単行本(ソフトカバー): 145ページ
出版社: 岩波書店 (1997/11)
ASIN: 4000066277


進化発生学の入門のための読み物です。倉谷先生には例のあのゴツイ本がおありですが、初学者にはハードルが高いのも事実。まずは脊椎動物の進化発生学の大枠をつかむのに本書は最適です。エラとアゴ、分節性、Hoxコード、とバランス良くまとめられていて、「From DNA to Diversity」を読んで疑問に思っていた脊椎動物の2重分節性についても理解が進んだ気がします。

正直、例のゴツイ本を読んでもよくわからなかったストーリーもすんなりと頭に入ってきます。脊椎動物の発生学は長い歴史があるので、その解釈の歴史的経緯もまともに取り上げると大変な分量になりがちですが、本書はシンプルながらもうまくエッセンスが残されていて読みやすくなっています。

ところで、巻末の読書案内には先日紹介した「昆虫の誕生」も取り上げられていますが、「内容の豊富さ、奥深さ、平易さともに最高峰。まさに空前の一冊。」とべた褒めになっています。合わせて読むとよろしいかと。

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2006年10月10日

クオリア入門ー心が脳を感じるとき

クオリア入門―心が脳を感じるとき (文庫)
茂木 健一郎 (著)
文庫: 288ページ
出版社: 筑摩書房 (2006/3/9)
ASIN: 4480089837
サイズ (cm): 15 x 11


いまさらながら、入門してみました。原題は「心が脳を感じるとき」(1999年)で、文庫化にあたりタイトルを変えたようです。位置づけとしては、「脳とクオリア」(1997年)に続く内容であるらしい。うーん、このタイトルだと、初めに読むべきと思ってしまいます。まぁ読みやすいからどっちでもいいか。

人間の脳は物質からできている。私たちの心は、私たちの脳の中のニューロンの発火という物質的プロセスに伴って生じる現象に過ぎない。普通の新書や文庫だと、全体を通して語られそうなこのようなテーマは、はじめの数ページで語られてしまいます。

クオリアについても、序盤であっさりと。クオリア(qualia)とは、私たちの感覚を特徴づける質感のようなもので、それ以上細かくは分離できず、言葉とかかわりなくそれ自体として自己同一性があり、完結している。ミルクを飲みミルクだと同定する時には、ミルクの味のクオリア+ミルクの香りのクオリア+ミルクだという認識、が成立している、と。物理的には、感覚器から入力し高次感覚野に向かうニューロンの発火のクラスターとして成立するものです。

それを踏まえて、心とは何かという問題について、哲学ではなしに、理系の研究者的なアプローチで迫っていきます。視覚に注目し、片目ずつに異なった映像を見せた場合に生じる「両眼視野闘争」、脳卒中などで第一次視覚野が失われた際に、動いているモノは見えないのに何となく動いている気がするという「ブラインドサイト」などに関する考察から、「ポインタ」という概念を導入し、意識的な認識の構造について説明していきます。この「ポインタ」は、哲学者ブレンターノらが扱っていた「志向性」という概念に近いものであり、物理的には前頭前野、高次感覚野から低次感覚野に向かうシナプス投射によって成立している、と。このように、主観性の本質的要素としての志向性は、脳のどこかに局在しているのではなく、脳全体のシステム的性質から立ち上がってくるものである、のだそうです。

著者はこの本の終わりにあたり、心脳問題はゴールが見えず、ゴールに到達できるのかもわからない、と述べています。しかし、私はこれを読んでいるうちに丸め込まれてしまい、自分の主観性は脳システムが情報処理する際に生じる随伴現象だ、とする考え方をとれば、心脳問題はおおかた解決してしまうような気になりました。また同時に、いち研究者としては、このような広範な関心を集めるような研究の前線に立ってやっていくのはさぞ面白かろう、とも思いました。

文句なしに面白かったです。おすすめ。

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2006年09月28日

完全図解 虫の飼い方全書

完全図解 虫の飼い方全書―採集から冬越しまで (単行本(ソフトカバー))
杉本 悟、森田真樹子、中川はづき(編集)
椋野純一(描画)
単行本(ソフトカバー): 223ページ
出版社: 東陽出版 (1999/03)
ASIN: 4885931886
musi1.jpeg

様々な昆虫の採集と飼育の仕方について解説した本。Amazonマーケットプレイスで買いました。

こういうジャンルは子供向けのモノが多いと思いますが、これはかなり踏み込んだ内容まで書かれています。飼育対象もカブトムシ、バッタ、テントウムシくらいまでは普通としても、カメムシ、ハバチ、ゾウムシ、ガガンボあたりはかなりマニアックですね。付録として、ボウフラ、アブラムシ、ミミズの繁殖のさせ方も載っています(肉食昆虫のエサ用)。1ページおきくらいに、「参考」というコラムがあり、様々な蘊蓄が書かれているのもとても楽しいです(クワガタの産卵痕の探し方とか、カメムシの臭腺についてなど。)これを子供の頃に持っていたかった…。隠れた名著です。

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2006年09月22日

切磋琢磨するアメリカの科学者たち

切磋琢磨するアメリカの科学者たち―米国アカデミアと競争的資金の申請・審査の全貌 (単行本)
菅 裕明 (著)
単行本: 163ページ
出版社: 共立出版 (2004/10)
ASIN: 4320056205


アメリカの大学の仕組みや研究費事情について詳しく書かれた本です。研究留学ネットで「超おすすめ」となっていたため、Amazonで購入しました。

アメリカで研究生活を送りNIHグラントの審査もしたことのある著者による解説であるため、内容は極めて具体的です。例えば、研究費の種目(R01やR21など)ごとに特性や審査項目などが解説されていたりします。日本で研究をしていく上ではここまでの情報は必要ないでしょうが、留学などでアメリカで研究する場合にはとても役にたちそうです。

また、現在は日本で研究をしている著者が、日本の研究のシステム、とくに科研費の審査の仕組みにもどかしさを感じている様子が文章の端々から感じ取れます。アメリカはすべてが優れているわけではないでしょうが、科学研究でこれだけ水をあけられてしまっている今、参考にすべきことはたくさんあるのでしょう。とりあえず私に出来るのは、申請書を真剣に書くことだけですが…。

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2006年09月20日

昆虫の誕生

昆虫の誕生―一千万種への進化と分化 (新書)
石川 良輔
新書: 210ページ
出版社: 中央公論社 (1996/10)
ASIN: 4121013271


定価680円でこんな本が買えるなんて、日本はいい国です。昆虫の各目(Order)と進化の概要が豊富な図とともに解説されていて、すばらしい本です。昔ある人に貸していたのが戻って来なかったので、もう一冊買ってしまいました。

しかしどうも新品は品薄のようです。最近は新書ブームですが、雑誌のように入れ替わりが早いですね。Amazonでは古本の値段がつり上がっている模様です。持っていない人は、BOOK OFFで見かけたら即買いましょう。

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2006年09月17日

博物学の巨人 アンリ・ファーブル

博物学の巨人 アンリ・ファーブル (新書)
奥本 大三郎
新書: 238ページ
出版社: 集英社 (1999/11)
ASIN: 4087200035


金沢から帰ってきました。機内で読んだのが、昆虫記の翻訳もされている奥本先生のファーブル解説本です。ファーブルの若いころの苦労や、出世しなかったのはほぼ本人の選択であったこと、晩年は比較的恵まれていたことなど、意外なことが書かれていて楽しく読めました。南仏の風土も一様ではなく、ファーブルの暮らした様々な土地の描写もすばらしく、現地に行ってみたくなりました。

ファーブルによる還元主義的な生物学への批判は鋭かったようで、同時代の生物学者たちを「猪どもが澄んだ泉の水をかきまわし濁してしまった」と表現し、著者もまた現代生物学に対して同様の意見を持っているようです。しかし実際の生物学はそれほど還元論万能主義にはなっていないと思いますし、特に最近は自然史的なテーマも分子生物学もいいバランスで統合されつつあると思うのですが、どうでしょうか。

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2006年09月12日

生物進化を考える

生物進化を考える (新書)
木村 資生
新書: 290ページ
出版社: 岩波書店 (1988/04)
ASIN: 4004300193



木村先生の書かれた一般向けの新書で、かなり有名だと思いますが、まだ読んでいませんでした。先日書店で見かけたので読んでみることに。

分子進化の中立説に至るまでの当時の状況がわかりやすく解説されているのはとても良いです。こういう研究はマル、こういう研究はくだらない、と、ご自身の印象をはっきり書かれているのも大変面白いです。

しかし、終盤の優生学に触れている部分は超微妙。特にグールドなど、そっち系(人権派)の方々とは真っ向から対立する意見だと思います。しかし最近はこういう事を言う人はあまりいないので、人間の集団にとって有害な突原変異のリスクというのが実際にはどのくらいあるもので、現在ではどのように評価されているのか、ということはちょっと気にかかりました。

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