生物学・科学に関する雑感。

現在ウィスコンシン・マディソンに研究留学中


2013年07月11日

現代思想 2012年11月臨時増刊号 総特集 チューリング

現代思想2012年11月臨時増刊号 総特集=チューリング [ムック] / アラン・チューリング, 円城 塔, 信原幸弘, 郡司ペギオ幸夫, 照井一成, ドミニク・チェン, 安西祐一郎, 柄沢祐輔, 池上高志, 鈴木誉保, 三浦岳, 新井紀子, 西垣 通, 佐藤文隆, 西川アサキ (著); 高橋昌一郎, 田中一之 (翻訳); 青土社 (刊)

こちらもいまさらですが、現代思想のチューリング特集号。鈴木さんによるモルフォゲンに関する論考もあり。勉強になります。
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2013年06月19日

現代思想 2012年8月号

現代思想2012年8月号 特集=生きものの<かたち> 構造・行動・色・模様 [ムック] / 養老孟司, 池田清彦, 中村桂子, 長沼毅 (著); 青土社 (刊)

このあいだ日本に行った時に書店で見かけて、いまさらながら読んでみましたが、当たりでした。沢山の著者の方たちがいて、テーマは哲学と生物学の境界であったり、あるいはまったくどちらでもなかったりするのですが、普段考えている生物学の外側が少し見えて、また、外から見た生物学はどんなものなのかも少し見えて、なかなか得難い読書体験でした。
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2012年12月27日

シロアリの事典

シロアリの事典 [単行本] / 吉村 剛, 板倉修司, 岩田隆太郎, 大村和香子, 杉尾幸司, 竹松葉子, 徳田 岳, 松浦健二, 三浦 徹 (編集); 玉本 奈々 (イラスト); 海青社 (刊)

シロアリの事典の見本も届きました。事典とは言いつつも、中身は総説集のようになっています。日本のシロアリ研究を概観するのに最適です。私は4章の一部を10ページほど担当させていただきました。
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2012年11月16日

エコゲノミクス 遺伝子から見た適応

エコゲノミクス ―遺伝子からみた適応― (シリーズ 現代の生態学 7) [単行本] / 森長 真一, 工藤 洋 (著); 日本生態学会 (編集); 共立出版 (刊)

マクロ系の生物学の代表格である生態学に、近年急速に発達したゲノム生物学の知見を取り入れたものがエコゲノミクスです。本書は、生態学を遺伝子のレベルで扱っている研究者による分担執筆で、エコゲノミクスの概念から手法、研究例までを網羅した教科書です。

編集担当の森長さんに声をかけていただいて、私は17章「エボデボと新しい総合」を書きました。本書の中心となる話題から少しずれていることもあって(だから最終章なんでしょうが)、生意気にも、今後あるべき生物学の総合について語ったりしています。こういうものを書く機会があると、自分の引き出しの少なさ、表現力の乏しさなどを痛感させられますが、できるだけ率直に、自分が理解している学問分野の今を書いたつもりです。色々と反省点もありますが、後から読み返して、若かった自分をここに見ることができればと思います。それはともかくとして、全体としては、最新の知識、技法が満載なので、関連分野の研究者の方はもちろん、生態学に興味のある学生さんにもぜひ手に取って頂きたいと思います。発売日は12月12日です。

12/25追記
出版社より見本本を送って頂き、初めて現物を見て、通読しました(いくつかの章は事前に原稿を読ませてもらっていましたが、全部読んだのは初めて)。全体に、基本的な概念や手法の解説とともに、新しい技術の紹介が豊富で、現場に近い視点で書かれているという印象です。難易度は、学部学生向けということでしたが、研究者にとっても実用性が高いと思いました。私個人にとっては、とくにQTLをはじめ、手法の解説が詳しい5,6,7章が役に立ちそうです。

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2012年07月25日

進化学事典

進化学事典 [単行本] / 日本進化学会 (編集); 共立出版 (刊)

ついに出た進化生物学のバイブル。頂き物です。分類群や概念を項目として、それぞれ2ページくらいずつ、事典としては長めの解説が書かれています。巨大な総説集ともいえる作りです。このようなスタイルだと、項目ごとの著者の個性も出て、読み物としてもなかなかです。
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2012年07月04日

芸術起業論

芸術起業論 [単行本] / 村上 隆 (著); 幻冬舎 (刊)

村上隆氏のアート論。いまや日本を代表する芸術家であるムラカミ氏が、世界を相手にどう戦うかについて熱く述べています。彼は工房を率いて集団で作品を作るスタイルなので、ちょっと研究業界のPIを思わせます。自分と、自分の育った文化的背景から、いかにオリジナルな物をえぐり出すか、それを現在の世の中の文脈にどのように位置づけるかという方法論と、オブセッションは大変に刺激的です。幻冬舎は良い仕事をしたと思います。
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2009年11月13日

見える光,見えない光:動物と光のかかわり


見える光,見えない光:動物と光のかかわり (動物の多様な生き方 1)

見える光,見えない光:動物と光のかかわり (動物の多様な生き方 1)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 共立出版
  • 発売日: 2009/04/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)




動物の視覚や体色、体内時計などに関する総説集。進化学会@札幌の会場で購入、日本国内を移動中に読んで、その後、船便でアメリカまで輸送され、いま再び手元に来ました。

内容が盛りだくさんで、とても勉強になりました。特にロドプシンについての概説や、複眼の構造についてなど、いままで見たどの教科書よりも丁寧でわかりやすいです。
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2009年09月18日

分子進化のほぼ中立説


分子進化のほぼ中立説―偶然と淘汰の進化モデル (ブルーバックス)

分子進化のほぼ中立説―偶然と淘汰の進化モデル (ブルーバックス)

  • 作者: 太田 朋子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/05/21
  • メディア: 単行本




新宿の紀伊国屋で購入。太田先生が「ほぼ中立説」について一般向けに書かれたとあって、買わずにはいられませんでした。しかしブルーバックスにしては難しすぎるし、全体のまとまりもイマイチです。ちょうど、昔から教えている項目に、ところどころ新しいトピックを挿入した大学の講義をそのまま本にしたような印象です。編集部が付け足したとされる、巻末の用語解説もイマイチ…完全に間違っているわけではないけれど、ちょっとちぐはぐです。まぁしかし、フォローしておくと、自分にとってはとても勉強になる本でした。
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2009年09月12日

複雑系入門


複雑系入門―知のフロンティアへの冒険

複雑系入門―知のフロンティアへの冒険

  • 作者: 井庭 崇
  • 出版社/メーカー: NTT出版
  • 発売日: 1998/06
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)




アマゾンのマーケットプレイスから実家に届けてもらい、帰りの機内にて読了。タイトルのとおり複雑系の入門書ですが、とてもわかりやすく書かれています。著者の略歴を見ると、20台前半で、この本を書かれたようです(!)。

自分にとって重要と思われたのは「構成的手法」という概念。工学から持ち込まれた考え方ですが、実際に作りながらメカニズムを解いていく方法ですね。この言葉の本来の意味からずれるかもしれませんが、これをシミュレーションやモデルに限らず、現実の実験で行うことができれば、メカニズムを本当の意味で理解したと言えそうです。

具体的には、ハエの体色を思うがままにデザインすることができれば、体色形成のメカニズムを完全に理解したと言えるでしょう。そう遠くない未来にできると思っています。

全く話はかわりますが、誰もが気になる郡司ペギオ幸夫先生の名前の由来についても記述がありました。以下、引用です。

「ちなみに、「ペギオ」というのは、大方の予想に反して、宗教上のものではない。実は自分の子供につける名前を考えていたとき、ふと思い浮かんだ「ペギオ」という名前が気に入ってしまい、ここ5年ほどそう名乗っているという。一度見たら忘れられないインパクトの強い名前も、まさに無根拠に使われているだけにすぎないようである。」

ちなみに、ペンギンにちなんでいるとの噂も聞いたので、ちょっと調べてみると、茂木先生の日記で言及されていました。しかしブログだというのにすごいクオリティだ…。
茂木健一郎 クオリア日記:友情
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2009年07月02日

実践生物統計学

実践生物統計学―分子から生態まで (単行本)
東京大学生物測定学研究室 (編集)
単行本: 186ページ
出版社: 朝倉書店 (2004/03)
ISBN-10: 4254420277
ISBN-13: 978-4254420272



なんだか色々な統計手法について、具体例に基づいて解説した本です。研究室の棚にさりげなく置いてあると助かりそうな本です。QTL(量的遺伝子座)マッピングの項目が読みたくて買いました。読んでしっかり理解したかというと…やっぱり良くわかりません。一応、概略はわかっているつもりなのですが、いまひとつピンとこない、というか。座学ではなく実際にやってみるのが一番早道なのかもしれません。実際問題、どのくらいのマーカー密度で、どのくらいの数の交配をするか、というのが解像度を決めるのでしょうが、その具体的数について見当もつかないので。
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2009年06月21日

テントウムシの自然史

テントウムシの自然史 (Natural History) (単行本)
佐々治 寛之 (著)
単行本: 251ページ
出版社: 東京大学出版会 (1998/01)
ISBN-10: 4130601717
ISBN-13: 978-4130601719


ここマディソンでは、テントウムシが多く見られ、特に秋の暖かい日には信じられないくらい大量のテントウムシが飛び回り、家にも侵入してきます(おそらく越冬のため)。さすが(?)アメリカの昆虫はエグイなと思っていたら、これは移入種だとのこと。学名を調べてみると、Harmonia axyridis、ん、これはナミテントウでは?

どうも近年、アメリカではアジアから移入されたナミテントウが爆発的に増えて、在来種を駆逐しつつあるようなのです。しかし日本では良く見る黒いモルフ(二紋型、あるいは四紋型というらしい)は、こちらでは見た覚えがありません。斑紋の遺伝様式はどうなっているんだったっけ?と思い、本書をアマゾンにて購入。さすが、同胞種クリサキテントウとの関係も含め、詳しく載っていました。

東アジアでは、多型の比率に明瞭な地理的勾配があり、シベリアでは紅型と斑型が、日本の南部では四紋型と二紋型が優占するようです。マディソンで紅型が多いのは、移入された集団がたまたま紅型だったという創始者効果なのか、緯度に関連した何らかの選択によって優勢なのか。アメリカでも誰かが調べているでしょうから、そのうち論文でもあさってみたいと思います。

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2009年03月28日

生き物をめぐる4つの「なぜ」

生き物をめぐる4つの「なぜ」 (集英社新書) (新書)
長谷川 真理子 (著)
新書: 221ページ
出版社: 集英社 (2002/11)
ISBN-10: 4087201686
ISBN-13: 978-4087201680



4つの「なぜ」とは、進化における、至近要因、究極要因、発達要因、系統進化要因のことです。これは進化生物学をまさに学ぼうとしている人にぜひとも読んで欲しい本です。私も10年前にこれを読んでいれば、人生変わっていたかも…(そのころには、まだ出版されてないけど)。修士課程の研究を始めてしばらくしてから、自分がやっているのは至近要因の研究だと気づきました(遅すぎる)。

時は流れて、いまや図々しくも「究極要因を明らかにするためには至近要因の理解が必須である」と主張する日々ですが、もとを正せば、何も分からずに始めたのが、たまたまメカニズム(至近要因)志向の研究だった、というだけのような気もします。もちろん指導してくれた先生方はわかって狙ってやっていたわけですが。これは個人の人生における歴史的要因(=系統進化要因)ですかね。
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2009年01月18日

視覚の心理物理学

視覚の心理物理学 (最新応用物理学シリーズ (3))
池田 光男 (著)
-: 248ページ
出版社: 森北出版 (1995/06)
ISBN-10: 4627840306
ISBN-13: 978-4627840300



最新応用物理学シリーズと銘打ってありますが、実は30年以上前に書かれた教科書です。第1版第1刷は1975年。視覚の特性について、その発見の経緯と、オリジナルの実験を提示しつつ解説しているのがとても良いです。例えば、暗順応のおこる仕組みであるとか、眼球運動の測定法であるとか。ヒトを使った実験をベースに、あとはどうしても倫理的にヒトではできないようなことを、サルやラットの知見で補うことができるので、この分野の知見は哺乳類が圧倒的に充実しているようですね。(少なくとも30年前は。今もたぶん同じ?)側抑制という現象のところに、ちょっとだけカブトガニが出てくるのがほほえましい。確かにカブトガニの複眼は大きいので、視神経ごとのパルスを拾うには良さそうです。

なお、この著者は「どうして色は見えるのか」も書かれています。
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2009年01月12日

動物の体色

動物の体色 (UPバイオロジー 52)
日高 敏隆 (著)
-: 120ページ
出版社: 東京大学出版会 (1983/01)
ISBN-10: 4130631020
ISBN-13: 978-4130631020



動物の体色をどう解釈するか、隠蔽や警告など、さまざまな実例を挙げて紹介している、この分野では貴重な入門書だと思われます。アゲハの蛹の色がどのように決定されているか、という話は面白いですし、他にも興味深い現象の実例が多いです。

しかし出版から20年以上経過していますし、読みやすさを意識するあまりか、細部の扱いが甘いように感じました。これはUPバイオロジーというシリーズが、わかりやすさと専門性のバランスをどのように取っていたかという問題でもあると思うのですが、もう少し、個々の現象と、観察者の作業仮説についてシビアな解釈をしてもいいのではという点が多いです。その点では、(書かれた年代が違うので比較はフェアではありませんが、)データの解釈についてシビアである「Avoiding Attack」とは好対照でしょう。
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2009年01月10日

色彩心理学入門

色彩心理学入門―ニュートンとゲーテの流れを追って (中公新書)
大山 正 (著)
新書: 235ページ
出版社: 中央公論社 (1994/01)
ISBN-10: 4121011694
ISBN-13: 978-4121011695

Shikisaishinrigakunyumon.jpg

これはおすすめ。「どうして色は見えるのか」よりも、こちらを先に読んだほうが効率的に理解できるかもしれません。ニュートン以前、17世紀ごろの、色彩というものの実体が全くわかっていなかったところからスタートしますが、これが、素人の知識レベルとほぼ同等(?)であるため、色彩研究の歴史をなぞることで、一緒に考えながら光と色彩の基礎を知ることができます。

ニュートンの「光学」(1704年)、ゲーテの「色彩論」(1810)、ドールトンによる色覚異常の研究(18世紀末)、ヤングやヘルムホルツによる三色説(19世紀初頭〜中頃)、ヘーリングによる反対色説(19世紀後半)とフォローしていくことによって、色覚の基本が理解できます。
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2008年12月27日

どうして色は見えるのか

どうして色は見えるのか―色彩の科学と色覚 (平凡社ライブラリー) (単行本)
池田 光男 (著), 芦沢 昌子 (著)
単行本: 289ページ
出版社: 平凡社 (2005/08)
ISBN-10: 4582765467
ISBN-13: 978-4582765465


私はショウジョウバエの体色の進化を扱っているので、その体色がどのような意味を持っているかが気になっています。仮に、捕食回避に体色が関係しているとして、捕食者から見た場合に、ヒトから見た場合と同じに見えている保証はありません。例えば、極端な例だと、捕食者が紫外域の光を見ることができる場合など。ヒトそのものが捕食者だった場合には話は簡単なのでしょうが、残念ながら、ヒトがショウジョウバエを補食しているという話は聞いたことがありません。あたりまえか。。

そんなわけで、ちょっと色の見え方の基礎を学ぼうと思い、入門書に手を出してみました。光の性質と、それを人間がどのように受容して、色として認識するのか、それがだいたいわかれば、他の動物にとっての色の見え方をある程度推測できる、少なくとも推測するための方法を考えることが出来るのではないかと思ってのことです。

本書は、色彩に関する入門書では名著とされるだけあって、読みやすいし、わかりやすい。Adobeのフォトショップやイラストレーターでの色の選び方の画面も、このくらい予備知識があれば、わかりやすくなるかもしれません。色を人為的に分類しようとしたときに、目的によって様々な流派があり、とっつきにくくしていることがわかりました。実際の光は、あるスペクトルの光の強度と、それをすべてのスペクトルについて合成したもの、それですべてのはずです。意外と単純で、あたりまえといえばそうなのですが。

つまり、にわか勉強の結論としては、少なくとも、被食者の体色のデータとしては、分光スペクトルを測っておけばOKなのではないかと思います(分光計で出てくるグラフと似たイメージ)。あとは捕食者側が、その光をどの波長域で感じて見ているか、捕食者の種ごとに違うわけなので、その波長域で、被食者の体色と背景の関係がどうなっているか、ということ。
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2008年12月04日

節足動物の多様性と系統

節足動物の多様性と系統 [バイオディバーシティ・シリーズ6]
石川 良輔 (著, 編集), 岩槻 邦男 (監修), 馬渡 峻輔 (監修)
単行本(ソフトカバー): 516ページ
出版社: 裳華房 (2008/4/11)
言語 日本語
ISBN-10: 4785358297
ISBN-13: 978-4785358297



待望の節足動物編。著者の先生からいただいてしまいました。ありがとうございます。紹介が遅れてすみません。とはいえ、ヨイショしているわけでなく、これは本当に良書であります。

おそらくこれに相当するような日本語の本は、「動物系統分類学」以来ではないかと思います。近年急速に集積されつつある、分子・形態の両面での見解を取り入れ、グループ間の系統関係をみっちりと議論しています。まぁ何度か読んだくらいでは頭に入らないですが、必要に応じて何度も見返すことになるのでしょう。中盤の構成がなにやらよくわからないことになっているのはご愛敬。著者が多いと、どうしても全体のトーンを統一するのは難しいようです。

節足動物は非常に多様化しているグループなので、どうしても膨大な文献の情報を取り込む必要があるはずですが、かなり高い水準で達成されていると思います。簡潔さと詳しさのバランスが絶妙ではないでしょうか。これ以上やってしまうと分厚く専門的になりすぎて、ウン万円の世界になってしまうでしょう。

自分としては、甲殻類と昆虫の各論がとても重要。特にに綱、目レベルの形態的特徴と系統関係について、いまのところ本書に優る教科書はありません。最新の情報を取り入れて数年おきに改訂されると最高なのですが…。
posted by シロハラクイナ at 15:27| シカゴ ☁| Comment(2) | TrackBack(1) | 書籍(和書) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月22日

進化の風景

進化の風景―魅せる研究と生物たち (単行本)
石川 統 (著)
単行本: 208ページ
出版社: 裳華房 (2000/09)
ISBN-10: 4785358335
ISBN-13: 978-4785358334


私の大学院時代の恩師の親友であり、また現在のボスの先生でもあった石川先生のエッセイ集。もとは雑誌「生物の科学 遺伝」に連載されていたということで、主に論文紹介に肉付けする形でストーリーを組み立てられているようです。石川先生は名文家との評判でしたが、確かに読んでいくと内容がスッと頭に入ってくる感覚です。しかしエッセイとはいえ内容は少し高度で、まえがきには「高校生物のレベルを前提に書き始めたが、なかなかそれに収まりきれず、」と書かれていますが、第1章はいきなり「ボルバキア」、2章は「プリオン」という調子なので、おそらく学部の後半か、大学院生でないと少々つらいかもしれません。
posted by シロハラクイナ at 00:50| ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍(和書) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月21日

発生と進化

シリーズ進化学〈4〉発生と進化 (シリーズ進化学 (4)) (単行本)
佐藤 矩行 (著), 倉谷 滋 (著), 野地 澄晴 (著), 長谷部 光泰 (著)
単行本: 238ページ
出版社: 岩波書店 (2004/06)
ISBN-10: 4000069241
ISBN-13: 978-4000069243


著者の先生から頂いた一冊。進化発生学の入門には最適で、通読するもよし、あとから見返すもよし。刊行は2004年なので比較的新しい内容も押さえているし、全体のバランスも良いです。このシリーズはとてもいいですね。
posted by シロハラクイナ at 23:00| ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍(和書) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月20日

社会性昆虫の生態

社会性昆虫の生態―シロアリとアリの生物学 (-)
松本 忠夫 (著)
-: 257ページ
出版社: 培風館 (1983/01)
言語 日本語
ISBN-10: 4563038121
ISBN-13: 978-4563038120


恩師M本先生の、「幻の名著」(←ご自分でそう言われていました…!)。
シロアリとアリの生態について、わかりやすくまとめられており、社会性昆虫の自然史に興味がある方には、ぜひ入門書として手に取っていただきたい一冊です。しかし残念なことに現在では入手が難しいようで、私も入手に苦労しました。当時私はM1で、某サイトの「探求書コーナー」で古書の入荷を待ってみたりしましたが、結局、「古本屋さんの横断検索」を使ってなんとか手に入れました。某社のマーケットプレイスでは、かなりすごい値がついていますが、定価は2400円です。
posted by シロハラクイナ at 08:00| ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍(和書) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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