![偶然と必然―現代生物学の思想的な問いかけ [単行本] / ジャック・モノー (著); 渡辺 格, 村上 光彦 (翻訳); みすず書房 (刊) 偶然と必然―現代生物学の思想的な問いかけ [単行本] / ジャック・モノー (著); 渡辺 格, 村上 光彦 (翻訳); みすず書房 (刊)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/417YDS62Q0L._SL160_.jpg)
本年もよろしくお願い致します。
さて、これはラクトースオペロンで有名なモノーのエッセイですが、生物と人工物の違いから説き始め、自分の研究分野を人類の思想史の中に位置づけていく、非常に壮大かつストイックなものです。その思考の鋭さに、少々息苦しさすら覚えます。
私の現在のボスはエボデボの研究者なのに、好きな論文にラストースオペロンの論文を挙げるほどで、それまで私は退屈な教科書的な研究と思っていたので、大きく考えを改めさせられたものです。確かに彼らの研究は洗練されていて美しく、その結果の投げかけたものは大きいのですが、その背景には、当時の生物学が示すべき科学的事実は何か、という確固とした思想的背景があったことに驚かされます。
古い本ですが、非常に切り口はユニークだし、研究のありかたについての示唆に富んでいて、特に若い研究者にぜひ読んでもらいたいです。
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