生物学・科学に関する雑感。

書籍の紹介が中心です


2011年06月29日

来年の夏に新しい生命科学ジャーナルが創刊される

たぶん研究者コミュニティーにとっては大きなニュースだと思うのですが、Howard Hughes Medical Institute, Wellcome Trust, Max Planck Societyが中心になって、新しい生命科学ジャーナルを創刊するということです。最高のジャーナルを目指し、オープンアクセス、少なくとも最初の数年は掲載料も取らないということです。

Three Biomedical Funders to Launch Open Access Journal (Science)

創刊のモチベーションになっているのは、トップジャーナルでは科学者でない人間によって編集が行われ、採否の決定権は編集者にあるものの、科学的妥当性を巡ってレビュワーと何度もやりとりするために査読が長引き、何度も何度も修正やデータ追加を要求されることに対する不満があるようです。

似たような経緯で創刊されたPLoS Biologyは、生命科学誌のトップであるCellを喰ってしまうほどにはならなかったし、前にも書いたように著者から掲載料を取るモデルで経営的に行き詰まり、中位ジャーナルであるPLoS ONEを創刊することで持ち直しましたが、今となっては圧倒的論文数を持つPLoS ONEのほうが主役になってしまった感があります。(例えば、2008-2009の論文数は、PLoS Biology 214に対し、PLoS ONE 6714です。実に30倍以上。)

今回の試みの新しい点は、この3つの母体が圧倒的な資金力を持つことで、正直なところ、ジャーナルが赤字だろうとまったく構わないのでしょう。なので、査読者にギャラを払うという噂まであるようです。

Natureは相変わらずこの手の動きには批判的で、内部のライターを使って「ビジネスモデルが見えない」と書かせていますが、今回の動きは営利目的ではないので、まったく的はずれでしょう。PLoSのときには、批判的な割にはNature CommunicationsやScientific Reportsなどを創刊して、対抗意識まるだしでしたが、さて今回はどうなるでしょうか。

Three major biology funders launch new open access journal, but why exactly?

私個人的には、やっぱりCellやNatureを喰うところまでは行かず、PLoS BiologyやCurrent Biologyあたりと一緒に団子になると予想しておきます。でも、もしも本当にトップを奪ったら快挙なので応援したいです。
posted by シロハラクイナ at 04:45| シカゴ ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
何かすごいジャーナルができるんですね。HHMIとWellcome trustとMax Planckのミックスってすごすぎる。

ところで、先日はカヴァーレターサンクスでした!めっちゃ役立ちました。何とかリジェクトされずに、今リヴァイズやっています。そして、来週、ハエで傷をやっているラボにインタビューに行ってきます!
Posted by SY at 2011年07月01日 15:25
どうもどうも。

>今リヴァイズ

それはすごい!短期間ですごい業績あげてるね。インタビューもがんばってね。
Posted by シロハラクイナ at 2011年07月02日 00:30
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