生物学・科学に関する雑感。

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2010年12月31日

事業仕分けと来年度予算案

今月は一度も書いていなかったので、ひとこと。

例のパブリックコメント募集から事業仕分け第3弾にかけて、研究者コミュニティーは大騒ぎになり、しかも仕分の結果を受けた評価会議では、「成長を牽引する若手研究人材の総合育成・支援イニシアティブ 」がC判定、「「強い人材」育成のための大学の機能強化イニシアティブ 」がB判定(補正措置含む)とされ、予算大幅カットは確実と思われました。

しかし菅首相のリーダーシップ(?)により、突如、科学技術関連予算の増額が発表され(12/22)、科研費は約30%増額(2633億円)で予算案に組み込まれました。さらに「成長を牽引する若手研究人材の総合育成・支援イニシアティブ 」に含まれていた特別研究員PD事業も約30%の増額(60億円)、テニュアトラック普及・定着事業も新規扱いで81億円が計上されました。若手研究者にとっては満額回答と言ってよいでしょう。この一連の騒動のため、来年度から採用のPDは採用内定が保留されていましたが、予算案の閣議決定を受けて無事内定を受けた人たちが沢山いるようです。よかったよかった。

平成23年度予算案
http://www.mof.go.jp/seifuan23/yosan.htm

一方でもちろん問題点も多数あります。まずは、仕分け関係の制度が固まっていないために、先行きが不透明であることから皆が疑心暗鬼になり、その都度、署名だパブリックコメントだと、大騒ぎになること。では騒がなければいいかというと、本当に予算をばっさり切られるとシャレにならないので、ノーベル賞受賞者を担ぎだしたり、学会で提言を取りまとめたり、その時点では本気を出さざるを得ない訳です。

そして、パブリックコメントが突出して多かった文部科学省の事業が、評価会議で低い評価を受け、しかしそれは必ずしも予算案に反映されていない。原理原則がしっかりしておらず、切られる側はもとより、仕分け関係者も脱力していることと思います。若手研究者側から見ても、仕分けのワーキンググループで科学技術振興調整費が廃止となった時には愕然としましたが(従来、テニュアトラック事業はここに含まれていた)、結局、テニュアトラック事業は新規扱いで見事に復活したのでした。

大学の運営費交付金、私学助成などは微減、グローバルCOEは10%減ということで、厳しい部分もありますが、ほぼ覚悟していた通りといったところでしょうか。グローバルCOE拠点など、当事者の方達のご苦労はお察しいたします。しかし、そもそもグローバルCOEやグーロバル30などが、その予算規模に見合った成果が見込まれる事業だったか、つまり同額を科研費にしたほうが有効なのではと多くの研究者がつぶやいていたことを考えると、大筋としては正しい方向に向かっているのではないかと思います。

来年はもしかすると総選挙があるかもしれませんし、また署名だパブコメだと騒ぐことになるかもしれませんが、雨降って地固まる、となると良いですね。よいお年を。
posted by シロハラクイナ at 16:34| シカゴ ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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