生物学・科学に関する雑感。

現在ウィスコンシン・マディソンに研究留学中


2009年11月12日

Is genetic evolution predictable?

Is genetic evolution predictable?
Stern DL, Orgogozo V.
Science. 2009 Feb 6;323(5915):746-51.

またプリンストンからのレヴュー。昨年Evolutionに出たものと似ていますが、少し別の例も出して、形質の進化を引き起こした具体的な遺伝的変異をどのように予測するか、について述べています。

こういうメタ解析的なことは最近の彼らの得意とするところで、よく事例をこれだけ集めるなと感心するばかりですが、例えば形態の進化において、種間の違いはcisの変化による場合が多く、種内や家畜化、栽培化の場合はタンパク質のコード領域にnull mutationが入っている場合が多い、というのはなるほどと思いました。

null mutationによってタンパク機能が失われても、ローカルな集団では環境次第で特に問題なく生存してしまうけれど、そのタンパク機能が再び戻ってくることはないわけで、環境適応への柔軟性を失っていると言えるでしょう。このようなローカルな進化には、ドリフトの効果が強く出るわけで、集団遺伝学の視点が欠かせない、と。

近年、彼らは集団遺伝学とEvo-Devoを融合させようという試みをしていると聞いています。関連する書籍も準備している模様です(polyphenismさんによる紹介にリンク)。なぜ集団遺伝学なのかよくわからなかったのですが、このレヴューを読んで、彼らの考えが少しだけわかりました。(ちなみに、我々のボスは集団遺伝学をあまり評価していません。派手好きだからでしょうか。このあたりが、緻密なDLSさんとの大きな違いだと思います。)
posted by シロハラクイナ at 15:52| シカゴ ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 論文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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