生物学・科学に関する雑感。

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2009年10月29日

Intraspecific polymorphism to interspecific divergence: genetics of pigmentation in Drosophila

Intraspecific polymorphism to interspecific divergence: genetics of pigmentation in Drosophila
Patricia J. Wittkopp, Emma E. Stewart, Lisa L. Arnold, Adam H. Neidert, Belinda K. Haerum, Elizabeth M. Thompson, Saleh Akhras, Gabriel Smith-Winberry, Laura Shefner
Science 23 October 2009:
Vol. 326. no. 5952, pp. 540 - 544

筆頭著者はC研の先輩で、現在はミシガン大学で独立されている方です。北米のショウジョウバエ、Drosophila americananovamexicanaは、姉妹種でありながら体色が大きく異なっていることが知られていました。americanaが黒、novamexicanaが黄色です。先行研究で、いくつかの遺伝子座がこの違いに関わっていることが推定されていましたが、具体的な遺伝子座にまでは落とせていませんでした。

今回、著者たちはintrogression(この場合の適切な訳語は浸透性交雑でOKでしょうか)によって、体色に違いをもたらす遺伝子座をマッピングし、それがebonytanという、キイロショウジョウバエでもよく知られた体色関連遺伝子に強く連鎖していることを示しています(つまりこれらの遺伝子そのものが正体である可能性が高い)。

ebony近傍は逆位があるため、さらに詳細なマッピングは困難なので、ここでtanに解析を絞り、tanの第1イントロン近傍にまで絞り込みました。piggyBacを用いてamericanatan遺伝子座をnovamexicanaへ導入すると、実際に体色が濃くなるとのこと。

実はamericanaには集団中に体色の多型があり西に行くに従って体色が薄くなる傾向があります。そこで由来の異なった複数の系統を調べてみると、novamexicanaのalleleに酷似したものが見つかりました。つまり、novamexicanaの薄い体色は、americanaの集団中に元々存在していた、体色を薄くするalleleを創始者効果で拾い上げたものか、あるいはnovamexicanaのalleleが遺伝子浸透によってamericanaに広まったか、いずれにしろ、種内多型と種間多型をもたらしているalleleが同一のものだった、というのがこの論文のうりのようです。

テクニカルな面でも、pyrosequenceを使ったり、melanogasterではない種で遺伝子導入をしたり、結構攻めているという印象です。
posted by シロハラクイナ at 10:36| シカゴ 曇り| Comment(0) | TrackBack(0) | 論文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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