生物学・科学に関する雑感。

現在ウィスコンシン・マディソンに研究留学中


2009年06月21日

テントウムシの自然史

テントウムシの自然史 (Natural History) (単行本)
佐々治 寛之 (著)
単行本: 251ページ
出版社: 東京大学出版会 (1998/01)
ISBN-10: 4130601717
ISBN-13: 978-4130601719


ここマディソンでは、テントウムシが多く見られ、特に秋の暖かい日には信じられないくらい大量のテントウムシが飛び回り、家にも侵入してきます(おそらく越冬のため)。さすが(?)アメリカの昆虫はエグイなと思っていたら、これは移入種だとのこと。学名を調べてみると、Harmonia axyridis、ん、これはナミテントウでは?

どうも近年、アメリカではアジアから移入されたナミテントウが爆発的に増えて、在来種を駆逐しつつあるようなのです。しかし日本では良く見る黒いモルフ(二紋型、あるいは四紋型というらしい)は、こちらでは見た覚えがありません。斑紋の遺伝様式はどうなっているんだったっけ?と思い、本書をアマゾンにて購入。さすが、同胞種クリサキテントウとの関係も含め、詳しく載っていました。

東アジアでは、多型の比率に明瞭な地理的勾配があり、シベリアでは紅型と斑型が、日本の南部では四紋型と二紋型が優占するようです。マディソンで紅型が多いのは、移入された集団がたまたま紅型だったという創始者効果なのか、緯度に関連した何らかの選択によって優勢なのか。アメリカでも誰かが調べているでしょうから、そのうち論文でもあさってみたいと思います。

posted by シロハラクイナ at 02:23| シカゴ ☀| Comment(4) | TrackBack(0) | 書籍(和書) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
WSUのTダシさんがこの辺の話,詳しいようです.
彼はアブラムシとテントウとアリの関係に着目した群集生態が専門の用です.先日色々話を聞かせてくれました.
Posted by polyphenism at 2009年06月26日 10:58
おお、そうでした。前門の虎、の話ばかりで、本業の方はあんまり聞いていませんでした。
テントウの動態はホットな分野なんでしょうね。アメリカはどこもそうなのかもしれませんが、マディソンでは秋になれば簡単にバケツ一杯捕れますよ。。どこからか侵入し、蛍光灯のカサにタップリ溜まります。
Posted by シロハラ at 2009年06月27日 16:23
ご無沙汰しております。
ナミテントウはアジアから移入されたらしいですが、「中国から入れた」との記述もありました。そうなると、日本で多い黒いヤツは入っていないのかもしれません。私のところにはナミが少ないのでサンプルは僅かですが、黒いのは見たことないですね。
Posted by Tダシ at 2009年07月07日 14:57
マイルドなコメントありがとうございます(笑)。

もしかして、黒いのを見つけたら手柄ですか??今シーズンは丁寧に見てみます。
Posted by シロハラ at 2009年07月07日 15:09
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