生物学・科学に関する雑感。

現在ウィスコンシン・マディソンに研究留学中


2009年05月15日

遺伝子には何ができないか

遺伝子には何ができないか (単行本)
レニー モス (著), Lenny Moss (原著), 長野 敬 (翻訳), 赤松 眞紀 (翻訳)
単行本: 346ページ
出版社: 青灯社 (2008/02)
ISBN-10: 4862280196
ISBN-13: 978-4862280190



遺伝子概念に関する論考です。遺伝子という概念は、遺伝子Pという概念と遺伝子Dという概念がつぎはぎされたもので、その意味をよく考えろ、という主張のようですが、あまりピンと来ませんでした。遺伝子の実体がかなり正確に把握されつつある現在、あえてその概念の成立過程に立ち返って、複数の方向から到達した概念であることを示すのにどんな価値があるのか、疑問です。もっと言うと、概念をもてあそんでいるだけのように思えます。

がんについての論考もあり、興味深い部分もあったのですが、概念を考え直すばかりで前に進んでいかないようなもどかしさも感じました。例えば、がんは細胞の病気か、組織の病気か、などという問いかけには、現実的な意味があるのか?細胞自体が異常な特徴を示す場合もあるでしょうし、そうでなくて組織レベルでのみ異常がみられるケースもあるでしょう。そもそもここで言う「異常」とはどのレベルの問題を指しているのか?分裂を続けることさえできれば「正常」?何かとても生産的でない議論に付き合わされた気分です。
posted by シロハラクイナ at 02:00| シカゴ ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍(翻訳もの) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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