Stephen Jay Gould (原著), 鈴木 善次 (翻訳), 森脇 靖子 (翻訳)
文庫: 376ページ
出版社: 河出書房新社 (2008/6/4)
ISBN-10: 4309463053
ISBN-13: 978-4309463056
グールドのリベラルな側面が全開の本作。文庫化されたので読んでみました。
つまるところ、学問の世界で主流派である北ヨーロッパ系の人々が「他の地域の人たちがいかに知的に劣るか」ということを示すために、頭蓋の容積を測ったり、IQを考案して広範な調査を行ったりした、ということです。そして、それらの研究の結果は意図的に、あるいは無意識のうちに歪められていたというお話です。外れ値を意図的に外したり、データのグルーピングを工夫(?)したり、手法はいろいろですが、グールドは時折生データも参照しつつ批判をしています。
舞台は主にアメリカであり、自由の国を標榜しつつも、いかに過去に人種差別的な移民政策を行ってきたか、そしてそれが研究者や政治・行政による「善意」によって行われてきたか、考えさせるものです。現代からみるとナンセンス、滑稽にすら見える事例もありますが、それもグールドの狙いなのでしょう。
多変量解析など統計学の歴史が、優生学と不可分であることもわかり、統計学のマメ知識としても面白いかと。しかし、もう少し統計の中身について突っ込んだ解説を加えてもよかったのではないかとも思います。
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