生物学・科学に関する雑感。

書籍の紹介が中心です


2009年01月11日

Avoiding Attack

Avoiding Attack: The Evolutionary Ecology Of Crypsis, Warning Signals And Mimicry (ペーパーバック)
Graeme D. Ruxton (著), Thomas N. Sherratt (著), Michael P. Speed (著)
ペーパーバック: 260ページ
出版社: Oxford Univ Pr on Demand (2005/2/3)
言語 英語
ISBN-10: 0198528604
ISBN-13: 978-0198528609



これは面白いです。やばいです。動物の体色、特に攻撃を避けるための、隠蔽、警告、擬態に関するレビュー。

私も子供のころから、誰から教わったのか(たぶん親からでしょうが)、隠蔽色を示す昆虫を見ては「保護色」などと言い、また、当時は教育テレビの番組などでも、よくそのように解説されていました。しかし、実際にその体色が、捕食回避効果を持っているのか、また、どのようなメカニズムで、捕食者から発見されにくくしているのか、ということは、もちろん実験的に示されていないケースがほとんどで、つまり「保護色」のような気がする、という程度の確かさのはずです。この違いは結構重要で、検証された事実と憶測の間には、明確な線を引かなければいけません。

ところが、実際には、研究レベルでもそのような線引きがあいまいであり、批判的に実例を検討しつつ、証明済みのことと、今後検証していくべきことを整理することはとても重要で、本書はその役割をしっかり果たしています。

未検証の仮説で面白いと思ったのは、「Flicker fusion」(訳語は「フリッカー融合」でOKかな?)による隠蔽、というもので、ヘビの横模様がこれにあたるのではないか、ということです。警告色の横縞のヘビが素早く目の前を横切ると、縞模様が融合して別の色に見え、これが隠蔽色になる、あるいは逆に、すばやく動くと単色に見えるヘビが、突然止まるとマダラの隠蔽色になるというものが提案されています。これは、十分な数のヘビが用意できれば検証できそうですが、誰かやりませんかね?


posted by シロハラクイナ at 02:00| シカゴ ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍(洋書) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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