生物学・科学に関する雑感。

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2008年12月04日

節足動物の多様性と系統

節足動物の多様性と系統 [バイオディバーシティ・シリーズ6]
石川 良輔 (著, 編集), 岩槻 邦男 (監修), 馬渡 峻輔 (監修)
単行本(ソフトカバー): 516ページ
出版社: 裳華房 (2008/4/11)
言語 日本語
ISBN-10: 4785358297
ISBN-13: 978-4785358297



待望の節足動物編。著者の先生からいただいてしまいました。ありがとうございます。紹介が遅れてすみません。とはいえ、ヨイショしているわけでなく、これは本当に良書であります。

おそらくこれに相当するような日本語の本は、「動物系統分類学」以来ではないかと思います。近年急速に集積されつつある、分子・形態の両面での見解を取り入れ、グループ間の系統関係をみっちりと議論しています。まぁ何度か読んだくらいでは頭に入らないですが、必要に応じて何度も見返すことになるのでしょう。中盤の構成がなにやらよくわからないことになっているのはご愛敬。著者が多いと、どうしても全体のトーンを統一するのは難しいようです。

節足動物は非常に多様化しているグループなので、どうしても膨大な文献の情報を取り込む必要があるはずですが、かなり高い水準で達成されていると思います。簡潔さと詳しさのバランスが絶妙ではないでしょうか。これ以上やってしまうと分厚く専門的になりすぎて、ウン万円の世界になってしまうでしょう。

自分としては、甲殻類と昆虫の各論がとても重要。特にに綱、目レベルの形態的特徴と系統関係について、いまのところ本書に優る教科書はありません。最新の情報を取り入れて数年おきに改訂されると最高なのですが…。
posted by シロハラクイナ at 15:27| シカゴ ☁| Comment(2) | TrackBack(1) | 書籍(和書) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
昆虫体系学の講義では,総論の部分を少しだけアップデートしたものを今年は配布しました.今後もそれを重ねて行って,数年後にはアップデート版として PDF ででも公開しますかね.著作権とか問題あるのかな?agreement form とか書いた覚えはないんだけど…
Posted by 茶坊主 at 2008年12月12日 11:07
コメント、トラバありがとうございます!

最近は論文なんかでも、受理直前の原稿の著作権は著者にあるので自由に使ってよい、となっているところが多いですよね(グリーンジャーナル?)。

書籍の場合は、どうなんでしょうか?改定版をpdf配布するとすると、出版されたものと同じではないわけだし、問題ないような気もしますが…。学術的には、もちろん最新版が読めたほうが好ましいですし。

http://homepage2.nifty.com/tanaka-isics/undergrad/info-industry.html
Posted by シロハラクイナ at 2008年12月12日 12:55
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