生物学・科学に関する雑感。

現在ウィスコンシン・マディソンに研究留学中


2012年07月25日

進化学事典

進化学事典 [単行本] / 日本進化学会 (編集); 共立出版 (刊)

ついに出た進化生物学のバイブル。頂き物です。分類群や概念を項目として、それぞれ2ページくらいずつ、事典としては長めの解説が書かれています。巨大な総説集ともいえる作りです。このようなスタイルだと、項目ごとの著者の個性も出て、読み物としてもなかなかです。
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2012年07月24日

Diversification of complex butterfly wing patterns by repeated regulatory evolution of a Wnt ligand.

Diversification of complex butterfly wing patterns by repeated regulatory evolution of a Wnt ligand.
Martin A, Papa R, Nadeau NJ, Hill RI, Counterman BA, Halder G, Jiggins CD, Kronforst MR, Long AD, McMillan WO, Reed RD.
Proc Natl Acad Sci U S A. 2012 Jul 16. [Epub ahead of print]

ミューラー型擬態で有名なドクチョウの翅の黒い部分は、どうやらWntAによって規定されていることを示した論文。同種の異なったモルフを利用したマッピングでWntA領域に絞り込み、in situで翅原基でのWntAの発現パターンが成虫の着色と一致することを確かめた上で、Wnt系リガンドの拡散を促進する薬剤であるヘパリンの投与によって、模様の黒い部分が拡大することを示しています。現在の技術を使う限りでは実験は完璧だと思います。
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2012年07月16日

新リア王

新リア王 上 [単行本] / 高村 薫 (著); 新潮社 (刊)

「太陽を曳く馬」の前作にあたる長編小説。禅僧の息子と代議士の父の対話を通じて、1960-1980年代の青森の政治史を舞台に、大物政治家の最期までを描いた大作です。主な登場人物は創作ですが、自民党の大物政治家は実名で出てきます。六ヶ所村の核燃料サイクル関連施設が作られた経緯や、地方分権のありかたなど、今日につながる問題が、実は長く複雑な経緯を辿っていることがリアリティを持って書かれています。また永平寺における禅僧の修行の様子も克明に書かれていて、大変興味深く読みました。
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2012年07月04日

芸術起業論

芸術起業論 [単行本] / 村上 隆 (著); 幻冬舎 (刊)

村上隆氏のアート論。いまや日本を代表する芸術家であるムラカミ氏が、世界を相手にどう戦うかについて熱く述べています。彼は工房を率いて集団で作品を作るスタイルなので、ちょっと研究業界のPIを思わせます。自分と、自分の育った文化的背景から、いかにオリジナルな物をえぐり出すか、それを現在の世の中の文脈にどのように位置づけるかという方法論と、オブセッションは大変に刺激的です。幻冬舎は良い仕事をしたと思います。
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