生物学・科学に関する雑感。

現在ウィスコンシン・マディソンに研究留学中


2012年04月20日

Screening of Upregulated Genes Induced by High Density in the Vetch Aphid Megoura crassicauda

Screening of Upregulated Genes Induced by High Density in the Vetch Aphid Megoura crassicauda
ISHIKAWA A, ISHIKAWA Y, OKADA Y, MIYAZAKI S, MIYAKAWA H, KOSHIKAWA S, BRISSON JA, MIURA T
Volume 317, Issue 3, pages 194–203, March 2012
DOI: 10.1002/jez.1713

H大時代の後輩の論文が出版されたようです。ソラマメヒゲナガアブラムシは、母虫の育った環境の密度条件によって、子世代の有翅・無翅の比率が劇的に変わります。この特性を利用して、母から子への密度シグナルの正体に迫るべく、蛍光ディファレンシャルディスプレイと定量PCRを使って、高密度条件下で発現が高くなる遺伝子を同定したというものです。さらにいくつかの候補遺伝子の発現も比較しています。ところで、この実験に使われた系統はたしか元ボスの出勤中に肩にとまったアブラムシに由来しているはずです。この研究は非モデル生物におけるエコ・デボの試みであると同時に、身近な自然史でもあると思っています。
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2012年04月02日

脳のなかの幽霊

脳のなかの幽霊 (角川文庫) [文庫] / V・S・ラマチャンドラン, サンドラ・ブレイクスリー (著); 山下 篤子 (翻訳); 角川書店(角川グループパブリッシング) (刊)

とても有名な本で、ずっと気になっていたものですが、やっと読みました。事故などによって手足を切断された患者などにみられる「幻肢」という症状をはじめとする様々な症例と、それに基づいて発想された脳機能に関する考察を中心に構成されています。
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2012年04月01日

Evolution of shape by multiple regulatory changes to a growth gene.

Evolution of shape by multiple regulatory changes to a growth gene.
Loehlin DW, Werren JH.
Science. 2012 Feb 24;335(6071):943-7.

Nasonia(ヤドリコバチ)のオスの翅の大きさは近縁種の間でかなり異なっています。正攻法のQTLマッピングとイントログレッションにより、その違いを引き起こしている遺伝子とその制御領域まで特定したという仕事。注目したのがオスの形質で、オスは一倍体なので解析が単純であること、質の良いゲノム配列があること、種間交配がしやすいこと(もともとの生殖隔離がWolbachiaによるものなので、抗生物質処理一発で隔離が解消できる)など、有利な点が多くありますが、それにしてもとにかくマッピングの解像度がすごい。種間の形態形質で、ここまでの解像度の研究は今までなかったのではないかと思います。ちなみにこの仕事は筆頭著者のD論の一部で、彼はポスドクとしてうちの研究室に来ました。
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